Labiotech が、TIL(腫瘍浸潤リンパ球)療法を臨床で進める企業6社を取り上げた記事を掲載した。同記事によれば、これまでに承認されたTIL療法はメラノーマ向けの Amtagvi のみで、他は臨床段階にある。
TIL療法の製造が特殊である理由
CAR-Tが患者のT細胞を遺伝子改変するのに対し、TIL療法は腫瘍組織の中にもともと入り込んでいるリンパ球を取り出して増やし、戻す。遺伝子改変を伴わない分だけ単純に見えるが、製造の観点ではむしろ難しい面がある。
- 出発材料が手術検体:採れる細胞の数と質が症例ごとに大きく違う。血液由来のCAR-Tより出発点のばらつきが大きい
- 増幅の倍率が桁違い:数千万〜数百億個の規模まで増やす必要があり、培養期間も長い
- 製造期間が長い:数週間規模になり、その間の患者の状態管理が臨床の課題になる
- フィーダー細胞やIL-2:増幅に使う材料の供給と品質管理が工程の前提になる
こうした事情から、TIL療法では自動化と閉鎖系への要求が特に強い。手作業の工程が多いほど、作業者ごとの差が製品に乗るためである。
承認品が1つしかないという状況
承認されたTIL療法がまだ1つという事実は、この分野の難しさをそのまま表している。有効性の課題に加えて、規模を保ったまま作り続けられるかが実用化の関門になってきた。
後続の企業がどこで差をつけようとしているか——増幅方法、期間の短縮、製造の自動化、あるいは適応の拡大——を見ると、この分野で何が律速なのかが読める。
※ 本ページは公開情報(Labiotechの記事)をもとにしたProglenth編集部による整理です。個社の開発状況は一次情報をご確認ください。