品質試験・受託

核型解析(受託・SNPアレイ)

核型解析は、細胞製品の染色体構造・本数やゲノムの健全性を評価する品質試験です。Gバンド分染による古典的核型解析に加え、SNP/CGHアレイによるデジタル核型でコピー数変化や欠失・増幅を高分解能に検出します。セルバンク作製やiPS細胞・細胞治療の製造で、長期培養に伴う染色体異常の有無を確認するために受託・装置の両形態で使われます。

Gバンド核型デジタル核型染色体異常検出ゲノム健全性セルバンク特性解析
分類
品質試験・受託
主な用途
Gバンド核型 / デジタル核型 / 染色体異常検出 / ゲノム健全性 / セルバンク特性解析
関連モダリティ
iPS細胞・幹細胞由来製品 / 細胞治療 / 抗体医薬 / Fc融合・組換えタンパク質 / AAV・ウイルスベクター
代表メーカー
WiCell・Applied StemCell・Thermo Fisher Scientific・Cell Line Genetics ほか計6社
関連キーワード
セルバンク / MCB/WCB / iPS細胞 / 細胞治療 / 染色体異常 / コピー数変化

用途・特徴

核型解析には、分裂中期の染色体をGバンド分染して顕微鏡下で観察する古典的核型解析と、SNPアレイ・CGHアレイでコピー数やヘテロ接合性消失(LOH)を網羅的に解析するデジタル核型があります。Gバンドは数的・大きな構造異常や転座、モザイクの把握に向き、アレイは数百kb〜数Mb規模の微小な増幅・欠失を高分解能で検出できます。

選定軸は、検出したい異常のスケール(数的異常・大規模転座か、微小なコピー数変化か)、バランス型転座の検出可否、モザイク率の評価要件、必要な分解能、培養可能な分裂細胞が得られるか、ターンアラウンドとGMP対応の要否です。バランス型転座はアレイでは原理上検出できず、逆に微小欠失はGバンドの分解能を超えるため、両者は相補的に使われます。

工程設計では、評価のタイミング(MCB/WCB作製時、製造上限継代、製造終了時細胞)と継代数の取り方を規格に組み込みます。iPS・幹細胞では一定継代ごとの核型モニタリングが一般的で、解析設計、参照ゲノム、判定基準、記録とトレーサビリティを事前に定義しておくことが重要です。

Point
  • 染色体の数的異常・構造異常やゲノムの健全性を評価する
  • Gバンド核型は数的異常・大規模転座・モザイクの把握に向く
  • SNP/CGHアレイは微小なコピー数変化や欠失・増幅を高分解能で検出する
  • バランス型転座はアレイでは検出できずGバンドが必要になる
  • セルバンクや製造用細胞株の特性解析・継代安定性確認に使われる
  • iPS・幹細胞では継代に伴う染色体異常のモニタリングに使われる
  • 受託サービスと自社装置・アレイの両形態で実施できる
  • GMP対応では試験法・判定基準・記録・トレーサビリティが重要になる

使用方法

Gバンド核型では分裂中期の染色体標本を作製して分染・観察し、デジタル核型では抽出DNAをアレイにかけてコピー数を解析します。

1対象細胞を培養し分裂中期の細胞を準備する
2Gバンドは染色体標本作製・分染、アレイはDNAを抽出する
3Gバンド観察 / SNP・CGHアレイ解析の手法を選択する
4顕微鏡観察またはアレイスキャンで核型データを取得する
5参照核型・親細胞株とコピー数・構造を比較する
6判定基準に照らし染色体異常の有無を判定・記録する
実際の条件は、細胞種、対象モダリティ、検出したい異常のスケール、必要分解能、分裂細胞の入手性、GMP対応の要否、外部委託の有無によって変わります。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)