用役・ユーティリティ

注射用水(WFI)・精製水製造装置

注射用水(WFI)・精製水製造装置は、製薬用水を蒸留またはRO+EDI+限外ろ過で製造し、貯留・分配ループまで一貫して供給する用役設備です。TOC・導電率・エンドトキシン・微生物を連続管理し、薬局方の水質規格とAnnex1の汚染管理戦略に対応します。生成・貯留・分配を一体で設計するのが要点です。

製薬用水WFI/精製水蒸留/膜法貯留・分配ループ水質モニタリング
分類
用役・ユーティリティ
主な用途
製薬用水 / WFI/精製水 / 蒸留/膜法 / 貯留・分配ループ / 水質モニタリング
関連モダリティ
抗体医薬 / ワクチン / 核酸医薬(mRNA/siRNA) / 細胞・遺伝子治療(AAV/CAR-T) / 低分子医薬(注射剤・固形製剤)
代表メーカー
BWT・Veolia Water Technologies・Stilmas・MECO ほか計9社
関連キーワード
注射用水 / 精製水 / WFI製造装置 / 多重効用蒸留 / RO/EDI / 貯留・分配ループ

用途・特徴

製薬用水は、原料・洗浄・バッファ調製・最終工程の溶解などに使われる基盤ユーティリティで、精製水(PW)と注射用水(WFI)に大別されます。原水を前処理(軟水化・活性炭・RO前のろ過)で整え、逆浸透(RO)と電気式脱イオン(EDI)でイオンと有機物を除去し、PWグレードに到達させます。WFIはさらにエンドトキシンと微生物の管理が厳しく、従来は多重効用蒸留(MED)や蒸気圧縮(VC)蒸留で製造してきましたが、各極の薬局方改定により低温の膜法(RO+EDI+限外ろ過)によるWFI製造も条件付きで認められ、選択肢が広がっています。

選定の軸は、必要な水種(PW/WFI/純蒸気)と日量・ピーク流量、生成方式(蒸留か膜法か)、そして貯留タンクと分配ループの設計です。WFIループは一般に70℃以上の高温循環や、オゾン+UVによる常温サニタイゼーションでバイオフィルム形成を抑え、デッドレグ最小化・乱流確保(流速設計)・サニタリ配管で微生物増殖を防ぎます。TOC計・導電率計を生成側とループに配置してオンラインで規格適合を監視し、エンドトキシンと微生物は定期サンプリングで担保します。

工程設計では、生成(ジェネレーション)・貯留(ストレージ)・分配(ディストリビューション)を一体で考えることが重要です。タンクには疎水性ベントフィルタ、スプレーボール(CIP)、過熱蒸気・オゾンによるサニタイズ手段を備え、ループは各ユースポイントへ過不足なく供給しつつ戻り流速を保ちます。膜法WFIは加熱不要でランニングコストを抑えられる一方で限外ろ過の完全性に依存し、蒸留は堅牢さで勝るが純蒸気・エネルギーを多く消費するため、プラント全体の用役とAnnex1の汚染管理戦略(CCS)を踏まえた方式選定と適格性評価(IQ/OQ/PQ)が前提になります。

Point
  • PWはRO+EDI、WFIは蒸留(MED/VC)または膜法(RO+EDI+限外ろ過)で製造
  • TOC・導電率はオンライン連続監視、エンドトキシン・微生物は定期サンプリング
  • 貯留タンクは疎水性ベントフィルタ・スプレーボール・サニタイズ手段を装備
  • 分配ループは高温循環またはオゾン+UV常温で微生物・バイオフィルムを抑制
  • デッドレグ最小化・流速(乱流)確保・サニタリ配管で増殖リスクを低減
  • 生成・貯留・分配を一体設計し、ユースポイントへ過不足なく供給
  • 薬局方(USP/EP/JP)の水質規格とAnnex1の汚染管理戦略(CCS)に対応
  • IQ/OQ/PQ・継続モニタリング・アラート/アクションレベルの運用が前提

使用方法

RO+EDIによる精製水生成から、貯留・分配ループでの供給・サニタイズまでの基本フローです。実際の生成方式(蒸留/膜法)、ループ温度、サニタイズ手段は水種・規模・既存用役によって変わります。

1必要な水種(PW/WFI/純蒸気)と日量・ピーク流量を設定
2原水を前処理(軟水化・活性炭・ろ過)で整える
3RO+EDI(WFIは蒸留または限外ろ過)でイオン・有機物を除去
4TOC・導電率をオンライン測定し規格適合を確認
5貯留タンクへ送り、分配ループで各ユースポイントへ循環供給
6高温循環/オゾンで定期サニタイズし、微生物・エンドトキシンを記録・担保
生成方式・ループ温度・サニタイズ頻度は水質規格と汚染管理戦略(CCS)に基づき設計します。膜法WFIでは限外ろ過の完全性試験と常時循環、蒸留では純蒸気・プラント蒸気の供給計画が要点になります。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)