知っておきたいこと
東海村の創薬支援センター
積水メディカルの創薬支援事業は、製薬企業やアカデミアから試験を受けるCROの事業です。拠点は茨城県那珂郡東海村の創薬支援センターで、同社は1965年5月にここで研究所を開きました。前身の第一化学薬品は、1955年にラジオアイソトープの実験室を設けています。
1968年には安全性研究の受託を、1971年には非臨床薬物動態試験の受託を始めました。2008年に積水化学工業のメディカル事業部門と統合し、いまの社名になっています。創薬支援センターは2014年6月にAAALAC International(実験動物の飼育管理の国際認証)の完全認証を取得し、2023年7月に更新しました。
放射性標識化合物の動態試験
非臨床の薬物動態試験の中心は、放射性同位元素(RI)で標識した化合物を動物に投与し、吸収・分布・代謝・排泄を調べる試験です。核種は14C、3H、125Iなどを扱い、動物はラット、マウス、イヌ、サル、ウサギ、ミニブタを使います。病態動物での動態試験も相談できます。準拠できる基準として、同社は信頼性基準とOECD-GLPを挙げています。
標識化合物は自社で合成し、RIのほか安定同位元素(SI)で標識した化合物もつくります。in vitroの試験には、代謝酵素の推定・阻害、トランスポーター、酵素誘導、タンパク結合などが並びます。
14C標識体を使う臨床試験
同社は、14C標識化合物を使う臨床薬物動態試験を国内外の臨床施設で行っています。マイクロドーズ(MD)試験では、NEDOのプロジェクトの一員として国内で14C標識体の試験を実施したと説明しています。
マスバランス(MB)試験では、自社で製造した微量の14C標識GMP原薬を、臨床用量の非標識GMP原薬とともに治験施設で調剤します。検体は加速器質量分析法(AMS)で分析し、マスバランスと代謝物を評価します。絶対的バイオアベイラビリティ(ABA)試験に使う静注用の14C標識体は、自社のアイソレーターで注射剤にしてから治験施設へ送ります。
安全性試験と測定の分担
安全性試験について、同社はボゾリサーチセンターと提携し、自社の分析技術と組み合わせて提供すると説明しています。
安全性試験は、提携先のボゾリサーチセンターとの連携で組み立てます。
創薬支援センターが自ら受けるのは、トキシコキネティクス(TK)測定やバイオマーカーの測定、in vitroの肝毒性・腎毒性の評価です。TK測定はGLPに従って行い、2022年7月のPMDAの調査では「適合」の評価でした。臨床試験や生物学的同等性試験の検体も、薬物濃度、バイオマーカー、中和抗体の抗体価を信頼性基準に従って測ります。
日本からの頼み方
相談の窓口は、創薬支援営業所(電話03-3271-5634)です。公式サイトのお問い合わせページでは、「創薬支援事業に関するお問い合わせ(非臨床・臨床試験・研究用試薬)」のフォームを選びます。
試験実施の手引きによると、機密保持契約を結んでから試験内容と費用を決め、試験計画書の案をつくります。結果は中間報告を経て最終報告書にまとめます。要望があれば、官庁への説明会にも同席すると同社は説明しています。