用語集

Aib」とは?

別名・英語表記:2-アミノイソ酪酸 / 2-aminoisobutyric acid

α炭素に二つのメチル基をもつ非天然アミノ酸で、DPP-4などのプロテアーゼによる切断に対する耐性を高めるために置換に用いられる。

Aib(2-アミノイソ酪酸)は、α炭素にメチル基を二つ持つ立体的にかさ高い非天然アミノ酸です。DPP-4による切断を受けにくくする目的で天然残基と置き換えて用いられますが、そのかさ高さはペプチド固相合成における難カップリングという製造上の問題も同時に生み出します。

なぜ天然アミノ酸と置き換えるのか

天然のGLP-1はN末端近くの8位にアラニン(Ala)を持ちますが、この部位がDPP-4による切断を受けやすい箇所です。そこで8位のAlaを、α炭素にメチル基が二つ付いたかさ高い残基であるAibに置換することで、DPP-4による分解への抵抗を持たせます。ただし抜粋にあるとおり、この置換だけでは腎排泄まで止めることはできず、脂肪酸側鎖など他の設計と組み合わせて用いられます。

製造から見たときの難所

Aibはα炭素が二置換されて立体的にかさ高いため、Aibへカップリングする工程も、Aibの直後の残基をカップリングする工程も反応が遅くなりがちです。カップリングが停滞するとその位置の残基が抜け落ちた欠損配列が積み上がり、最終的な純度や収率に影響します。薬理設計の観点では有用な置換であっても、製造の観点では「難カップリング残基」として最初から難所を抱えることを意味します。

ハイブリッド設計という回避策の考え方

Aibのような非天然残基を含む部分だけを化学的に組み立て、それ以外の断片を組換えで用意して連結する収束的なハイブリッド設計は、原理的な対策として想定できます。非天然残基を含む部分に化学合成を集中させることで、全長を一括して固相合成する場合の難所を局所化できる考え方です。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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