CordenPharma が、イタリア・カポナーゴの無菌充填拠点に、アイソレーター式の充填ラインを2本導入する。既存の臨床用・商業用の設備に上乗せする形で、2027年内のGMP対応を目標としている。
あわせて、隣接する 11,000m² の建物を取得する計画も示されています。実現すれば拠点の面積は約50%広がり、無菌充填ラインを最大4本、自動検査ラインを4本、二次包装/オートインジェクターのラインを3本、追加で置ける余地ができるとしています。
2本のラインで、商業と臨床を分ける
導入する2本は、狙う規模が違います。
- Syntegon の商業規模 PFS/PFC 充填機:プレフィルドシリンジとカートリッジを、量産の規模で扱う
- VarioSys(Bausch+Ströbel)のライン:臨床試験から小規模の商業生産まで。バイアル(液剤・凍結乾燥)と PFS/PFC に対応
分けている理由は、同じラインで臨床と商業を回すと、どちらも待たされるからです。臨床は少量・多品目で切り替えが頻繁に起き、商業は同じものを長く流します。求められる段取りが逆を向きます。
規模の違うラインを2本持てば、切替と交叉汚染の管理も、それぞれの前提で設計できます。開発の初期から商業まで同じ受託先で通したい顧客にとっては、ここが選定の理由になります。
充填の枠が取れない、という詰まり
近年、無菌充填の能力不足は業界全体の話になっています。抗体医薬に加えて、GLP-1系の注射剤やオートインジェクター製品が枠を押さえ、後から入る品目が待たされます。
充填が詰まる原因は、装置の台数だけではありません。
- アイソレーターとRABSの選択で、除染や切替にかかる時間が変わる
- EU GMP Annex 1 の要求が、設備と運用の両方に効く
- 外観検査とオートインジェクターの組み立てまで含めて、はじめて出荷できる
今回の計画に自動検査ラインと二次包装/オートインジェクターのラインが並んでいるのは、充填だけ増やしても後ろで詰まるためです。自社製造か受託かを決めるときは、充填の能力だけでなく、その後ろまで見る必要があります。
なお、投資額と隣接建物の取得の完了時期については、発表からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(CordenPharma の発表)をもとにしたProglenth編集部による整理です。設備・稼働時期の詳細は一次情報および各社の公式発表をご確認ください。