カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究者が、細胞の主要な酵素である RNAポリメラーゼが 8文字の遺伝暗号を正確に読めることを示した。ScienceDaily によれば、地球上の既知の生物が使う4文字を倍にしたもので、詳細な構造解析から、RNAポリメラーゼが人工の文字を天然のものとよく似た形で扱っていることが分かったとされています。
文字を増やすと何ができるか
DNAはA・T・G・Cの4文字で書かれ、タンパク質は20種類のアミノ酸でできています。文字を増やすと、同じ長さでより多くの情報を書けるだけでなく、天然にないアミノ酸をコードに割り当てられるようになります。
3つ目は封じ込めの観点でも意味を持ちます。人工の文字がなければ増殖できない生物は、環境に出ても生き残れないためです。
転写が通るかどうかが関門だった
人工の塩基対を細胞の中で使うには、いくつもの段階を通す必要があります。複製されること、転写されること、翻訳に載ること。このうち転写は、RNAポリメラーゼという1種類の酵素が担うため、そこが通るかどうかが分かれ目になります。
今回の報告は、その酵素が人工の文字を「天然のものと似たやり方で」扱っていた、という点に重心があります。特別な改変をしなくても通るなら、系を組み立てるうえでの障害が1つ減ることになります。
製造の観点では、まだ距離のある話です。ただし、人工の塩基を含む核酸を作るとなれば、オリゴ核酸の固相合成の原料が増え、不純物プロファイルの考え方も変わります。核酸のQCで、天然の4文字を前提にした分析法がそのまま使えるとは限りません。
なお、報道の記載は概要に留まっており、実験の範囲や効率は本記事の情報に含まれません。
※ 本ページは公開情報(ScienceDaily の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。研究内容の詳細は一次情報および原著論文をご確認ください。