Helogen が、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)と共同で、宇宙環境でのバイオ製造に取り組みます。BioProcess International によれば、対象は合成骨髄の作製だとしています。
なぜ重力を抜くのか
微小重力を使う理由は、細胞を浮かせることにあります。
地上で三次元の組織を作ろうとすると、細胞は沈み、足場に貼り付きます。足場材を使えば形は作れますが、そこに材料由来の制約が乗る。微小重力なら、細胞どうしの相互作用だけで凝集体を組ませられる可能性があります。骨髄のように複数の細胞種が層をなす構造では、この違いが効くという見方があります。
ただし、地上で回転培養や懸濁培養を使って似た条件を作る手法は以前からあります。打ち上げてまで得たいものが何なのかが、この種の取り組みを読むときの分かれ目になります。
製造として成立するかは別の話
研究として面白いことと、製造として回ることの間には距離があります。
- 打ち上げと回収のたびに、工程が輸送で中断されます
- GMPの枠組みを軌道上でどう満たすのか、前例がありません
- 細胞治療のCQAを、回収後の検体だけで保証できるか
自家と同種のどちらを想定するかでも、必要な規模がまるで違います。いまの段階では、製造技術というより材料科学と細胞生物学の実験として見るのが妥当だと思われます。
なお、実施の時期と規模は報道からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(BioProcess International の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。計画の詳細は一次情報および各機関の公式発表をご確認ください。