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フィルターホルダー(ハウジング)

フィルターホルダー(ハウジング)は、カートリッジフィルターやディスクフィルターを保持し、流路に組み込むための容器です。フィルターメディア本体だけでは流路に接続できないため、ホルダーが入口・出口・ベント・ドレン・シール構造を備え、規定圧力・規定温度でろ過を成立させます。ラボ用のディスクホルダーから、製造用のマルチラウンドハウジングまで、スケールと用途に応じた形式があります。

二次清澄化無菌ろ過サニタリーカートリッジ保持

用途・特徴

フィルターホルダーは、メンブレンカートリッジ、デプスフィルター、ベントフィルター、ディスク膜などを保持し、工程液やガスをろ過するために使われます。主な用途は、バッファーや培地の無菌ろ過、バイオバーデン低減ろ過、タンク・バイオリアクターのベント、最終充填前のろ過、ラボでの試験ろ過などです。

材質はサニタリー用途では316Lステンレスが主体で、製品接液面は電解研磨で表面粗さ(Ra)を抑えて洗浄性を確保します。接続はサニタリー(ヘルールクランプ)、ねじ込み、衛生フランジなどから選び、O-ringやガスケットは接液材質とSIP/CIP条件に合わせます。近年は組立・洗浄・バリデーションの負担を下げるため、ホルダーとフィルターを一体化した使い捨てカプセルへの置き換えも進んでいます。

Point
  • カートリッジ/ディスクフィルターを保持して流路に組み込む容器
  • 入口・出口・ベント・ドレン・シール構造を備える
  • サイズ(10/20/30/40インチ)と本数(シングル/マルチラウンド)で容量を決める
  • サニタリー接続、SIP/CIP対応、耐圧・耐温度が選定の中心
  • 材質(316L)と表面仕上げ(電解研磨・Ra)で洗浄性・耐食性が変わる
  • O-ring・ガスケットの接液材質と適合がリーク・抽出物に影響する
  • ラボ用ディスクホルダーから製造用マルチラウンドまで幅広い
  • 組立・洗浄・バリデーションを省く使い捨てカプセル化が進む

使用方法

基本的には、用途とフィルターに合うホルダーを選び、フィルターを装填し、流路に接続してから洗浄・滅菌し、規定条件でろ過します。

1ろ過対象、流量、圧力、温度、滅菌方法を確認する
2フィルター形式に合うホルダー(サイズ・本数)を選定する
3接続規格とO-ring・ガスケット材質を確認する
4カートリッジまたはディスクフィルターを装填する
5入口・出口・ベント・ドレンを流路に接続する
6必要に応じてSIP(蒸気滅菌)またはオートクレーブする
7ベントしてエア抜きし、漏れがないか確認する
8規定流量・規定圧力でろ過する
9差圧・流量を監視し、滅菌グレードでは完全性試験を行う
10使用後にCIP(洗浄)またはフィルター交換・廃棄する
実際の運用は、ろ過対象、フィルター形式、流量・圧力、滅菌方法(SIP/オートクレーブ)、CIP要否、GMP要件、シングルユース化の方針によって変わります。

ステンレスハウジング と 使い捨てカプセルの違いは?

同じフィルターメディアを保持する場合でも、ステンレスハウジングと使い捨てカプセルでは運用負担とコスト構造が異なります。

結論

大流量・大容量で長期に同一製品を作る場合は、ステンレスハウジングが有利になりやすい一方、多品種少量、頻繁な切替、洗浄バリデーション負担の低減を重視する場合は、使い捨てカプセルへの置き換えが進んでいます。両者を工程ごとに使い分ける構成も一般的です。

構造

ホルダーとフィルターが別で、フィルターを装填する

ホルダーとフィルターが一体化している

滅菌

SIP(蒸気滅菌)やオートクレーブで繰り返し使う

ガンマ線滅菌済みで届くものが多い

洗浄

CIPやバリデーションが必要

使い捨てのため洗浄・洗浄バリデーションが不要

初期コスト

本体コストが高いが繰り返し使える

本体は安いが毎回消耗品費がかかる

立上げ

組立・洗浄・滅菌の手間がかかる

接続するだけで使え、切替が速い

向くスケール

大流量・大容量、長期反復運転

小〜中スケール、多品種、頻繁な切替

クロスコンタミ

洗浄管理で対応する

使い捨てで交差汚染リスクを下げやすい

廃棄物

廃棄物は少ない

プラスチック廃棄物が増える

主なタイプ

タイプ内容向く用途
ディスク(メンブレン)ホルダー13/25/47/90mmなどのディスク膜を保持するラボ試験、QC、分析前ろ過、無菌試験
インラインホルダー流路に直結する小型ホルダー少量の無菌ろ過、ベント、サンプリング
シングルラウンドハウジングカートリッジ1本を収めるサニタリーハウジング中小流量の無菌ろ過、バッファーろ過
マルチラウンドハウジング複数本のカートリッジを並列に収める大流量ろ過、製造スケール
T型ハウジング横引き出しで省スペースのインライン形状配管組込み、スペース制約のあるライン
サニタリー(衛生)ハウジング316L・電解研磨・ヘルール接続バイオ医薬の本工程、無菌ろ過
ベントフィルターハウジングタンク・リアクターのベント用無菌エア・ガスのろ過
使い捨てカプセル(参考)ホルダー一体型の使い捨て形式シングルユース工程、切替の速い運用
ラボスケールホルダーオートクレーブ可能な小型ホルダー条件検討、少量ろ過

材質・表面仕上げと接続の確認項目

確認項目内容目的
接液材質316L/316ステンレス、樹脂部の材質耐食性と抽出物に影響する
表面仕上げ電解研磨、機械研磨、Ra値洗浄性・付着低減・残留防止に影響する
O-ring・ガスケットシリコン、EPDM、PTFE、フッ素系などシール性・耐薬品性・抽出物に関係する
接続規格サニタリー(ヘルール)、ねじ込み、フランジ既存配管・流路への適合
耐圧最高使用圧力、差圧許容ろ過条件と安全に関係する
耐温度SIP・オートクレーブ温度への耐性滅菌方法の選択に影響する
ベント・ドレンベント弁、ドレン弁の有無エア抜き・水抜き・完全性試験に必要
証明書材質証明、Ra証明、圧力試験記録GMP対応・トレーサビリティ

選定項目と確認内容

ろ過対象バッファー、培地、製品液、ガス、ベントなど
フィルター形式保持するカートリッジ/ディスクの規格に合うか(コード、長さ)
サイズ10/20/30/40インチなど、必要ろ過面積に合う長さ
本数シングルラウンドかマルチラウンドか、必要流量に合う本数
流量・圧力目標流量と差圧、許容圧力に収まるか
滅菌方法SIP(蒸気)、オートクレーブ、ガンマ線のどれに対応するか
CIP要否繰り返し使用で洗浄・洗浄バリデーションが必要か
材質・仕上げ316L、電解研磨、Ra値が要件を満たすか
O-ring適合接液O-ring・ガスケット材質が薬液・滅菌条件に合うか
接続規格サニタリーヘルール、サイズ、既存ラインとの適合
ベント・ドレンエア抜き、水抜き、完全性試験ができる構造か
完全性試験滅菌グレードで完全性試験(バブルポイント等)に対応できるか
GMP対応材質証明、Ra証明、圧力試験記録、E&L情報、変更通知
供給性標準品、リードタイム、スペア、セカンドソース、使い捨て化の可否

使用される工程

フィルターホルダーは、フィルターを流路に組み込む必要があるろ過工程の多くで使われます。

バッファー・培地ろ過

調製したバッファーや培地を無菌ろ過する。

主な用途
  • 無菌ろ過

二次清澄化

デプス後の仕上げろ過で粒子・濁質を除去する。

主な用途
  • 仕上げろ過

バイオバーデン低減ろ過

工程液の微生物負荷を下げる。

主な用途
  • バイオバーデン

無菌ろ過(0.2µm)

充填前や中間体プールの無菌ろ過を行う。

主な用途
  • 最終無菌ろ過

タンク・リアクターベント

ベントフィルターを保持し無菌エアを供給する。

主な用途
  • ベント

最終充填前ろ過

充填機直前で製品液を無菌ろ過する。

主な用途
  • 充填前ろ過

ガス・エアろ過

プロセスガスや圧縮空気を無菌ろ過する。

主な用途
  • ガスろ過

ラボ・QCろ過

試験ろ過や無菌試験でディスクホルダーを使う。

主な用途
  • 試験ろ過

微生物発酵前後

発酵液周辺のバッファー・ガスろ過に使う。

主な用途
  • 発酵周辺ろ過

原薬・製剤化前処理

製剤バッファーや製品液のろ過に使う。

主な用途
  • 製剤前ろ過

使用されるモダリティー

フィルターホルダーは、ろ過工程をもつ幅広いモダリティーで使われ、無菌ろ過やバッファーろ過の基盤となります。

抗体医薬
関連度
バッファーろ過無菌ろ過ベント
上流〜下流のバッファー・製品液ろ過やベントで広く使われる。
Fc融合・組換えタンパク質
関連度
バッファーろ過無菌ろ過
発酵・培養液周辺と精製工程のろ過で使われる。
ワクチン
関連度中〜高
培地ろ過無菌ろ過ベント
培養・原液周辺のろ過やベントで使われる。
微生物発酵
関連度中〜高
培地ろ過ガスろ過ベント
培地・ガス・ベントのろ過で使われる。
細胞・遺伝子治療
関連度
バッファーろ過無菌ろ過
製品本体より、バッファーやベクター周辺液のろ過で関係する。
低分子
関連度
溶媒ろ過製品液ろ過
溶媒や反応液、製剤液のろ過で関係する。

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