二次清澄化

メンブレンフィルター(清澄化・除粒子)

メンブレンフィルターは、薄い高分子膜の孔径によって粒子や微生物を分離するフィルターです。ここでは細胞除去後の二次清澄化、0.2µm除菌ろ過前のバイオバーデン低減、ポリッシュ前やクロマト前後の除粒子に使う膜(PES/PVDFなど、概ね0.1〜0.65µm)を扱います。厚みのあるろ材で濁質を受け止めるデプスフィルターと役割を分担し、清澄化後の液を整えて後段フィルターやカラムへ渡します。

二次清澄化バイオバーデン低減除粒子プレフィルター
分類
二次清澄化
主な用途
二次清澄化 / バイオバーデン低減 / 除粒子 / プレフィルター
関連モダリティ
抗体医薬 / Fc融合・組換えタンパク質 / 二重特異性抗体 / ワクチン / AAV / 細胞治療 / 微生物発酵
代表メーカー
Merck / MilliporeSigma・Sartorius・Pall・3M / Solventum ほか計14社
関連キーワード
二次清澄化 / デプスフィルター / 滅菌フィルター / バイオバーデン / ウイルスろ過 / ハーベスト・清澄化

用途・特徴

メンブレンフィルターは、デプスフィルターや遠心で大きな細胞・デブリを除いた後に残る微粒子や微生物を、膜表面と孔で捕捉します。主な用途は、ハーベスト後の二次清澄化、0.2µm除菌ろ過の手前でのバイオバーデン低減、Protein A前やポリッシュ前のロード液の除粒子、低pHウイルス不活化後やUF/DF前の微粒子除去、培地・バッファーの清澄ろ過などです。0.1〜0.65µmの範囲では、目的に応じて0.45µm(バイオバーデン低減)、0.2µm(除菌)、0.65/0.8µmのプレフィルター層を使い分け、しばしば0.45/0.2µmや0.8/0.45µmの二層で多段化します。

膜材質はPESとPVDFが主流で、高流量・低タンパク吸着・広いpH適合性が選定の軸になります。膜は厚みのあるろ材より保持容量が小さく、濁質負荷が高い液では急速に目詰まりするため、デプスフィルターやフリースプレフィルターで負荷を下げてから使うのが基本です。実工程ではフラックス(LMH)と差圧の推移を見ながら、Vmax/Pmax試験などで処理量(L/m²)を評価し、必要面積を決めます。シングルユースのカプセルやアセンブリが広く使われ、ガンマ滅菌品は洗浄バリデーションの負担を下げます。

Point
  • 薄い膜の孔径で微粒子・微生物を分離するフィルター
  • 二次清澄化・バイオバーデン低減・除粒子が主な役割
  • PES/PVDFが主流。0.1〜0.65µmを目的別に使い分ける
  • デプスフィルターで負荷を下げてから使うと目詰まりしにくい
  • 0.45/0.2µmなど二層化で処理量を確保する
  • フラックス(LMH)・差圧・処理量(L/m²)で面積を選定する
  • 膜は保持容量が小さく、高濁度液では詰まりやすい
  • シングルユースカプセル・アセンブリが広く使われる

使用方法

基本的には、デプスフィルターや遠心で清澄化した液を、必要に応じてプレフィルターを介してメンブレンフィルターへ通し、微粒子や微生物を低減します。

1ろ過対象液の濁度、粒子負荷、バイオバーデンを確認する
2目的を決める(二次清澄化/バイオバーデン低減/除粒子)
3孔径、膜材質、ろ過面積、形式(カプセル/カートリッジ)を選定する
4必要に応じてプレフィルターと二層構成にする
5バッグ、チューブ、ポンプ、圧力センサーと接続する
6膜を規定の液で湿潤・フラッシュする
7規定流量または規定圧力でろ過する
8入口圧、出口圧、差圧、流量、処理量を記録する
9ろ過後の濁度、粒子数、回収率を確認する
100.2µm除菌ろ過やクロマト工程など次工程へ送る
実際の運用は、前処理(デプス/遠心)の有無、液の濁質負荷と組成、目的(清澄化かバイオバーデン低減か除菌か)、処理量、許容差圧、シングルユースかステンレスハウジングか、GMP要件によって変わります。除菌ろ過(0.2µm滅菌フィルター)として無菌性を保証する場合は完全性試験とバリデーションが別途必要です。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)