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ハーベストバッグ

ハーベストバッグは、本培養後の培養液、遠心後上清、デプスフィルター後の清澄化液、Protein A前のロード液などを一時的に受けるために使われるシングルユースバッグです。培養槽から取り出した液を受け、次のろ過工程やProtein A精製へつなぐために使われます。

ハーベスト液受け清澄化液保持Protein A前シングルユース

用途・特徴

ハーベストバッグは、ハーベスト工程で発生する液体を一時的に保持・移送するために使われます。主な用途は、本培養液の回収、遠心分離前の培養液受け、遠心後上清の受け、デプスフィルター後の清澄化液受け、メンブレンフィルター前後のプール液保管、Protein Aカラムへロードする前の中間体保持です。

抗体医薬では、ハーベストバッグ内の液がそのまま下流工程へ入るため、バッグの材質、E&L、チューブ接続、無菌性、保管条件が重要です。AAV、レンチウイルス、ワクチン、プラスミドDNA、細胞上清、微生物発酵でも、ハーベスト液や清澄化後液の受けバッグとして使われることがあります。

Point
  • 本培養後の培養液や清澄化液を受けるシングルユースバッグ
  • 培養槽、遠心分離機、デプスフィルター、Protein A工程をつなぐ
  • ハーベスト液、遠心後上清、デプスフィルター後液、Protein Aロード液で使われる
  • 細胞やデブリを含む液、または製品含有液を扱うため、バッグ仕様が重要
  • 容量、チューブ径、排液性、保管時間、無菌接続、ラベル管理を確認する
  • シングルユース流路、送液ポンプ、圧力モニタリングとセットで設計する
  • GMPではCoA、滅菌証明、E&L、ロットトレーサビリティ、変更通知が重要になる

使用方法

基本的には、培養槽や清澄化装置の出口にハーベストバッグを接続し、培養液や清澄化液を受けます。

1本培養の終了条件を確認する
2バッグの容量、ロット、滅菌状態、使用期限を確認する
3バッグホルダー、トート、カート、重量計を準備する
4チューブ、クランプ、無菌コネクター、ベント、ポートを確認する
5培養槽、遠心機、フィルターの出口に接続する
6送液ポンプまたは重力でハーベスト液をバッグへ送る
7液量、重量、流量、圧力、膨張、漏れを確認する
8必要に応じてサンプルを採取する
9次工程のフィルターやProtein Aカラムへ接続する
10使用後のバッグや流路を記録し、規定に従って廃棄する
実際の運用は、液量、細胞密度、濁度、清澄化構成、バッグ容量、保管時間、温度、GMP要件によって変わります。

シングルユースバッグとの違い

ハーベストバッグはシングルユースバッグの一種ですが、用途がハーベスト工程に特化しています。

結論

シングルユースバッグは「広い意味の使い捨てバッグ」、ハーベストバッグは「本培養後の液を受ける工程バッグ」と整理できます。

主な用途

保管、混合、移送、培養、サンプリング

ハーベスト液や清澄化液の受け・一時保管

工程範囲

上流、下流、製剤まで広い

本培養後〜Protein A前が中心

主な液体

培地、フィード、バッファー、中間体、製剤液

培養液、遠心後上清、清澄化液、ロード液

液の特徴

用途によりさまざま

細胞・デブリを含む、または製品含有液

重要点

フィルム、容量、接続、保管性

排液性、閉鎖性、液量管理、工程接続

関連装置

ミキサー、バイオリアクター、保管容器

遠心分離機、デプスフィルター、Protein A

注意点

E&L、供給性、破損

漏れ、過充填、サンプル管理、下流遅延

培地バッグ・フィードバッグとの違い

項目培地バッグフィードバッグハーベストバッグ
主な液体培地濃縮フィード培養液、上清、清澄化液
工程位置培養前培養中培養後
製品含有基本なし基本なし目的タンパク質を含む
濁質少ない少ない多い場合がある
主なリスク無菌性、培地安定性沈殿、浸透圧、添加量回収率、汚染、漏れ、下流遅延
接続先培養槽フィードライン遠心機、フィルター、Protein A
重要点保管、ろ過、送液添加量、保管、送液排液性、閉鎖性、容量、ラベル

ハーベストバッグとプールバッグの違い

項目ハーベストバッグプールバッグ
主な工程本培養後、清澄化前後精製工程中、画分プール、中間体保管
主な液体培養液、上清、清澄化液Protein A溶出液、ポリッシュ画分、UF/DF後液
液の濁度濁りがある場合がある比較的清澄な液が多い
関連装置遠心分離機、デプスフィルタークロマト装置、UF/DF、ウイルスろ過
主な注意点細胞・デブリ、詰まり、ハーベスト時間保持時間、pH、導電率、タンパク質濃度
用語の重なり清澄化後液をプールバッグと呼ぶ場合もある工程によってハーベストバッグと兼用されることがある

ハーベストバッグで重要な構成要素

構成要素内容確認ポイント
バッグ本体ハーベスト液を保持するフィルムバッグ容量、強度、E&L、液体適合性
チューブ培養槽やフィルターと接続する流路内径、長さ、材質、ポンプ適合性
無菌コネクター閉鎖系接続に使うReadyMate、AseptiQuik、Optaなど
ベント充填・排液時の空気抜き液濡れ、ベントフィルター、通気量
サンプリングポート工程内サンプル採取無菌性、デッドボリューム、ラベル
排液ポート次工程へ送る出口残液、排液性、チューブ径
クランプ流路開閉誤操作防止、操作順
ラベルバッグ識別製品、バッチ、工程、採取時刻、容量
二次包装輸送・保管用保護破損防止、清浄性、保管条件
バッグホルダーバッグを保持する容器形状、重量、排液、搬送性

ハーベストバッグで確認する項目

確認項目内容目的
容量ハーベスト液全量を安全に受けられるか過充填防止
バッグ形状2Dか3Dか、支持容器に合うか設置・搬送・排液性
チューブ径必要流量で送液できるかハーベスト時間短縮
排液性バッグ内に液が残りにくいか製品ロス低減
無菌接続培養槽やフィルターと閉鎖系接続できるか汚染リスク低減
ベント液充填時に圧力がかかりすぎないかバッグ膨張・破損防止
保管時間次工程まで何時間保持するか製品安定性
温度室温、冷蔵、制御温度のどれか品質維持
サンプル採取代表性のあるサンプルを取れるかIPC・QC確認
ラベル管理バッチ・工程・液種を識別できるか取り違え防止
E&L製品液への影響を確認できるか品質・安全性
供給性標準品かカスタム品か製造継続性

ハーベスト工程での使い方

構成ハーベストバッグの位置内容
培養槽 → バッグ培養槽出口培養液を一時的に受け、後で清澄化する
培養槽 → 遠心分離機 → バッグ遠心後上清受け細胞除去後の上清を受ける
培養槽 → デプスフィルター → バッグデプス後液受け清澄化後液を受け、次工程へ渡す
培養槽 → 遠心 → デプス → バッグ二次清澄化後液受けProtein A前の清澄化液を受ける
培養槽 → デプス → メンブレン → バッグ二次清澄化後液受けバイオバーデン低減後の液を保持する
バッグ → Protein Aロード液供給バッグProtein Aカラムへ安定送液する

主なタイプ

タイプ内容向く用途
2Dハーベストバッグ平面状の小〜中容量バッグ開発、小スケール、サンプリング、少量上清
3Dハーベストバッグ立体状の中〜大容量バッグ本培養後の大容量液受け
遠心後上清バッグ遠心分離後の上清を受ける一次清澄化後
デプス後プールバッグデプスフィルター後液を受けるProtein A前処理
メンブレン後バッグメンブレンフィルター後液を受けるバイオバーデン低減後
ハーベストサンプリングバッグハーベスト液サンプルを採取するIPC、QC、外部試験
冷蔵保管対応バッグ一時保管を想定したバッグ次工程待ち、夜間保管
カスタムアセンブリバッグチューブ、フィルター、コネクター一体型GMP製造、閉鎖系工程
細胞上清回収バッグ上清を回収・保管するバッグMSC上清、ウイルスベクター、ワクチン
ハーベストライン一体型バッグフィルターやポンプと組み合わせるシングルユース清澄化ライン

選定ポイント

液量ハーベスト液全量、分割数、余裕容量を確認する
バッグ容量1 L、5 L、20 L、50 L、100 L、200 L、500 L、1000 L以上など
形状2D、3D、トート用、ドラム用、カート用のどれか
液種培養液、遠心後上清、デプス後液、製剤前中間体など
細胞・デブリ細胞や濁質を含む液を扱うか
チューブ径ハーベスト時間と流量に合うか
無菌接続培養槽、遠心機、フィルター、Protein A装置と接続できるか
ベント充填時・排液時の圧力変化に対応できるか
排液性バッグ内残液や製品ロスを抑えられるか
サンプリング代表性のあるサンプル採取ができるか
保管時間次工程までのホールドタイムに対応するか
温度室温、冷蔵、冷却、保温の条件に合うか
E&L製品液への溶出影響を評価できるか
滅菌ガンマ滅菌、滅菌証明、使用期限を確認する
GMP対応CoA、材質証明、変更通知、ロットトレーサビリティ
供給性標準品、カスタム品、リードタイム、セカンドソース
搬送性重量、支持容器、カート、作業高さを確認する

使用される工程

ハーベストバッグは、本培養後から精製前までの液体を受ける工程で広く使われます。

本培養終了後

培養槽から培養液を受ける。

主な用途
  • 培養液受け

ハーベスト

培養液や上清を一時保管する。

主な用途
  • 一時保管

遠心分離後

遠心後上清を受ける。

主な用途
  • 上清受け

デプスフィルター後

清澄化後液を受け、次工程へ渡す。

主な用途
  • 清澄化液

メンブレンフィルター後

二次清澄化後液を保持する。

主な用途
  • 二次清澄化

Protein A前

カラムロード液の供給バッグとして使う。

主な用途
  • ロード液

低pHウイルス不活化前後

溶出液や処理後液の中間体バッグとして使う場合がある。

主な用途
  • 中間体

ポリッシュ前

プール液や中間体液を保持する。

主な用途
  • プール液

ウイルスベクター製造

上清、清澄化液、ベクター液の保持に使われる。

主な用途
  • ベクター液

細胞上清製造

MSC上清などの回収・一時保管に使われる。

主な用途
  • 上清回収

QCサンプリング

ハーベスト液や清澄化液サンプルの採取に使われる。

主な用途
  • サンプリング

使用されるモダリティー

ハーベストバッグは、培養液や清澄化液の受けが必要な多くのモダリティーで使われます。

抗体医薬
関連度
CHO培養液遠心後上清清澄化液
本培養後からProtein A前までの液受けで使われる。
ADC
関連度
抗体原薬用CHO培養液
抗体部分のハーベスト・清澄化液を保持する。
二重特異性抗体
関連度
CHO培養液清澄化液
抗体医薬と同様に使われる。
Fc融合タンパク質・組換えタンパク質
関連度
CHOHEK293微生物上清
上清回収や清澄化後液で使われる。
AAV
関連度
HEK293/Sf9培養液清澄化液
ベクター含有液の受けバッグとして使われる。
レンチウイルス
関連度
Producer Cell上清清澄化液
せん断や回収率に注意しながらベクター液を保持する。
ワクチン
関連度
細胞培養液ウイルス液清澄化液
ウイルス液や清澄化液の中間体保持に使われる。
細胞治療
関連度中〜高
細胞懸濁液洗浄液上清
細胞製品では用途により移送バッグ・処理バッグとして使われる。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度中〜高
細胞懸濁液上清工程液
細胞製品や上清工程の液体管理で使われる。
遺伝子編集
関連度中〜高
編集細胞Producer Cell上清
細胞処理液やベクター含有液の保持で使われる。
mRNA-LNP
関連度
プラスミド発酵原料酵素工程液
mRNA本体より関連発酵・原料製造で関係する。
プラスミドDNA
関連度
発酵液溶解後液清澄化液
菌体処理後や清澄化後液の保持で使われる。
微生物発酵
関連度
発酵液上清清澄化液
菌体分離後液や発酵上清の保持で使われる。
低分子医薬品
関連度
発酵由来原料反応液工程液
バイオ由来工程や製剤液管理で関係する。

メーカー製品

ハーベストバッグ・液体保管バッグ11
SartoriusFlexsafe Liquid Storage and Shipping20 mL〜3,000 Lまでのシングルユースバッグ。ハーベスト液、清澄化液、中間体、バッファー、製剤液の保管・移送に使われる。公式URL SartoriusFlexsafe 2D Bags20 mL〜50 Lの2Dバッグ。保管、サンプリング、移送、出荷に使われ、小〜中容量のハーベスト液や上清受けにも使われる。公式URL SartoriusFlexsafe 3D Bags中〜大容量の3Dバッグ。大容量ハーベスト液、清澄化液、Protein A前ロード液の保持に使われる。公式URL Thermo Fisher ScientificThermo Scientific Bioprocessing Bags滅菌・スケーラブルな流体ハンドリング向けバッグ製品群。ハーベスト液、培地、バッファー、工程液の保管・移送に使われる。公式URL Thermo Fisher ScientificBioProcess Containers無菌流体ハンドリング向けのシングルユースバッグ/コンテナ。ハーベスト液、清澄化液、中間体の保持に使われる。公式URL Merck / MilliporeSigmaMobius 2D and 3D Assemblies and Storage Systems2D/3Dシングルユースアセンブリと保管システム。ハーベスト液、清澄化液、中間体の保管・移送に使われる。公式URL Merck / MilliporeSigmaMobius FlexReady Solutionsクロマト、清澄化、UF/DF、ウイルスろ過などのシングルユース下流工程を構成できるプラットフォーム。ハーベスト後の中間体保持にも関係する。公式URL CytivaReadyCircuit Single-Use Bags and Assembliesバッグ、チューブ、フィルター、コネクターを組み合わせたシングルユース流路。ハーベスト液や清澄化液の保持・移送で使われる。公式URL CytivaAllegro Single-Use Biocontainersバイオプロセス向けシングルユースバイオコンテナ。ハーベスト液、清澄化液、中間体の保管・移送で使われる。公式URL MeissnerTepoFlex / BioFlex Single-Use Bagsバイオプロセス向けシングルユースバッグ・アセンブリ。ハーベスト液、工程液、中間体の保管・移送で使われる。公式URL Saint-GobainSingle-Use Bags and Assembliesバイオプロセス向けバッグ、チューブ、アセンブリ。閉鎖系流体管理で使われ、ハーベストラインにも組み込まれる。公式URL
ハーベストライン用シングルユースアセンブリ8
関連装置・周辺製品10
Alfa LavalCultureOneシングルユース部材を用いる細胞ハーベスト向け遠心分離システム。遠心後上清の受けバッグと組み合わせる。公式URL GEAkytero Single-Use Disk Stack Centrifugeシングルユースディスクスタック遠心機。細胞ハーベスト後の上清受けにバッグが使われる。公式URL Merck / MilliporeSigmaMillistak+ Podデプスフィルター。ろ過後清澄化液をハーベストバッグやプールバッグへ受ける。公式URL Cytiva / PallStax / Supracap Depth Filtersハーベスト液の清澄化、濁質除去、Protein A前処理に使われる。公式URL SartoriusSartoclear Depth Filters細胞培養液の清澄化、粒子除去、下流前処理に使われる。公式URL SartoriusSartopore 2清澄化後の二次ろ過、バイオバーデン低減、無菌ろ過に使われる。公式URL Watson-MarlowPeristaltic Pumpsハーベスト液、遠心後上清、清澄化後液の送液に使われるチューブポンプ。公式URL Masterflex / AvantorMasterflex Peristaltic Pump Systemsハーベスト液や工程液の送液に使われるポンプ。流量範囲、チューブ材質、圧力を確認して選定する。公式URL Endress+HauserPressure Sensors / Flow Instrumentsハーベストラインやフィルター前後の圧力・流量監視に使われる。公式URL Mettler-ToledoWeighing / Load Cellsハーベストバッグやプールバッグの重量管理、液量管理に使われる。公式URL

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