ナノフィルトレーション

プレフィルター

プレフィルターは、除菌フィルターやウイルス除去フィルターといった本フィルターの前段に置き、粗い粒子・コロイド・タンパク質凝集体などのファウリング種をあらかじめ取り除く前処理フィルターです。本フィルターの目詰まりを抑え、流量低下を緩和して処理量と膜寿命を確保することを目的とします。多くは公称ろ過(保持)でグレードが定義され、本フィルターより粗い側を担います。

前処理ファウリング対策流量確保下流精製
分類
ナノフィルトレーション
主な用途
前処理 / ファウリング対策 / 流量確保 / 下流精製
関連モダリティ
抗体医薬 / Fc融合・組換えタンパク質 / ワクチン / 血漿分画製剤 / 二重特異性抗体 / mRNA-LNP
代表メーカー
Sartorius・Merck / MilliporeSigma・Pall・3M / Solventum ほか計5社
関連キーワード
前処理フィルター / ウイルス除去フィルター / 除菌フィルター / デプスフィルター / メンブレンフィルター / クラリフィケーション

用途・特徴

プレフィルターは、本フィルター(0.2µm除菌フィルターや20〜35nm系のウイルス除去フィルターなど)の手前に置き、本フィルターが捕捉すると目詰まりしやすい大きめの粒子・コロイド・脂質・タンパク質凝集体を先に保持します。多くはデプス構造(不織布フリースやガラス繊維、セルロース+珪藻土など)の公称ろ過径フィルターで、絶対ろ過径で定義される本フィルターより粗い側を受け持ち、保持機構もサイズ排除に加えて吸着・捕捉を併用する点が特徴です。

選定では、まず本フィルターを守るのに必要なグレード(公称ろ過径や複数層の組み合わせ)を決め、次にVmax試験(一定圧での累積処理量からプラグ点を外挿)やPmax試験(一定流量での差圧上昇)でスループットを評価して膜面積を設計します。プレフィルターと本フィルターは別々に最適化するより、ロード液・グレード・面積比を含めた「ろ過トレイン」として一体で評価し、トータルコストと処理時間が最小になる組み合わせを探すのが実務的です。

Point
  • 本フィルター(除菌・ウイルス除去)の目詰まりを防ぐ前段の前処理フィルター
  • 粗い粒子・コロイド・脂質・タンパク質凝集体などのファウリング種を先に保持する
  • 多くは公称ろ過径グレードで、本フィルターより粗い側を担う
  • サイズ排除に加えて吸着・捕捉を併用するデプス構造が多い
  • 本フィルターの流量低下を抑え、処理量と膜寿命を改善する
  • グレード選定とVmax/Pmaxによるスループット評価が要点
  • 本フィルターと面積比を含めた「ろ過トレイン」として一体で最適化する
  • ガラス繊維(吸着性)・ポリプロピレン(低溶出)など材質で使い分ける

使用方法

基本的には、本フィルターの保護に必要なグレードを決め、小型デバイスでスループットを評価してから本機の面積を設計します。

1保護したい本フィルターと許容差圧を確認する
2ロード液の濁度・凝集体・脂質・導電率を把握する
3候補グレード(公称ろ過径・層構成)を選ぶ
4小型デバイスでVmax/Pmaxを評価する
5プレフィルターと本フィルターの面積比を設計する
6フィルターを湿潤・フラッシュして気泡を抜く
7規定の差圧または流量でろ過する
8差圧・フラックス・処理量を監視する
9バッファーでポストフラッシュし回収率を確認する
10結果を記録しスケールアップ条件に反映する
実際の運用は、ロード液の性状(濁度・凝集体・脂質)、保護する本フィルターの種類、必要処理量、スケール、各社デバイスの推奨運転条件によって変わります。グレードや面積比は小型評価デバイスでの実測に基づいて決めるのが基本です。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)