培養モニタリング

NIR/FTIRモニタリング

NIR/FTIRモニタリングは、近赤外分光法またはフーリエ変換赤外分光法を用いて、原料、培地、反応液、培養液、工程液、製剤液などの成分や状態を非破壊または低侵襲で確認するモニタリング技術です。NIRは近赤外領域の光吸収を、FTIRは赤外吸収から官能基や化学構造の情報を取得し、バイオプロセスではPATの一部として使われます。

PAT原料・培地確認下流・製剤フロー合成
分類
培養モニタリング
主な用途
PAT / 原料・培地確認 / 下流・製剤 / フロー合成
関連モダリティ
抗体医薬 / ADC / 二重特異性抗体 / Fc融合タンパク質・組換えタンパク質 / AAV / レンチウイルス / ワクチン / 細胞治療 / iPS細胞・幹細胞由来製品 / 遺伝子編集 / mRNA-LNP / プラスミドDNA / 微生物発酵 / 低分子医薬品
代表メーカー
Bruker・ABB・Foss・Buchi ほか計31社
関連キーワード
本培養 / ラマン分光モニタリング / 自動サンプリング装置 / バイオプロセス分析計 / PAT / 培養制御システム

用途・特徴

NIR/FTIRモニタリングは、工程中の化学成分や物理状態をリアルタイムまたは迅速に把握するために使われます。NIRは、水分、糖、タンパク質、脂質、粉末原料、培地、製剤成分などの非破壊分析に向いています。粉末培地、原料受入、培地調製、バッファー、タンパク質濃度、乾燥状態、混合均一性の確認にも使われます。

FTIRは、官能基や分子構造に由来する吸収を測定するため、反応モニタリングや液体中の成分変化を追う用途に向いています。低分子合成、フロー合成、酵素反応、バイオプロセス下流工程、製剤処方検討などで使われます。細胞培養のリアルタイムモニタリングでは、ラマン分光と同様に、グルコースや乳酸などの培地成分をモデル推定する用途があります。

Point
  • NIRは近赤外吸収、FTIRは赤外吸収を使う分光モニタリング技術
  • 原料確認、培地調製、細胞培養、下流精製、製剤化、フロー合成で使われる
  • NIRは粉体・原料・水分・タンパク質・混合状態に強い
  • FTIRは反応進行、官能基、液体成分変化の追跡に強い
  • PAT、QbD、リアルタイムモニタリングに関係する
  • 定量にはケモメトリクスモデルと参照分析値が必要になる
  • ラマン分光、自動サンプリング、バイオプロセス分析計と使い分ける

使用方法

基本的には、NIRまたはFTIRのプローブ、フローセル、測定窓を工程に接続し、スペクトルを取得します。定量用途では、取得したスペクトルと参照分析値を対応づけてモデルを作ります。

1測定したい工程・成分を決める
2NIRまたはFTIRの方式を選ぶ
3プローブ・フローセル・測定窓・オフライン測定の構成を決める
4工程液や原料からスペクトルを取得する
5HPLC・BioProfile・Cedex・UV・LC-MS等の参照分析値を取得する
6スペクトルと参照値を対応づける
7PLS回帰やPCAなどで予測モデルを作る
8モデル精度を検証する
9工程モニタリングや制御へ活用する
10GMP用途ではモデル変更管理やデータ記録を行う
実際の運用は、測定対象、サンプル状態、水分量、濁度、温度、流路、プローブ材質、スペクトル品質、モデル管理、GMP要件によって変わります。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)