培養モニタリング

ラマン分光モニタリング

ラマン分光モニタリングは、培養液や工程液にレーザー光を照射し、分子由来の散乱光を解析することで、培養中の成分や状態をリアルタイムに推定するモニタリング技術です。細胞培養では、グルコース、乳酸、グルタミン、グルタミン酸、アンモニア、細胞密度、場合によっては力価や製品関連指標などを、ラマンスペクトルからモデル推定する目的で使われます。サンプルを毎回取り出して測定するオフライン分析とは異なり、プローブを培養槽に設置することで、非破壊・連続的に培養状態を追える点が特徴です。

培養モニタリングPATリアルタイム推定非破壊測定
分類
培養モニタリング
主な用途
培養モニタリング / PAT / リアルタイム推定 / 非破壊測定
関連モダリティ
抗体医薬 / ADC / 二重特異性抗体 / Fc融合タンパク質・組換えタンパク質 / AAV / レンチウイルス / ワクチン / 細胞治療 / iPS細胞・幹細胞由来製品 / 遺伝子編集 / mRNA-LNP / プラスミドDNA / 微生物発酵 / 低分子医薬品
代表メーカー
Endress+Hauser / Kaiser Raman・Sartorius・Bruker・Mettler-Toledo ほか計28社
関連キーワード
本培養 / バイオプロセス分析計 / 自動サンプリング装置 / NIR/FTIRモニタリング / PAT / 培養制御システム

用途・特徴

ラマン分光モニタリングは、培養中の化学成分や培養状態をリアルタイムに把握するために使われます。主な用途は、グルコース、乳酸、グルタミン、グルタミン酸などの培地成分・代謝物の推定、細胞密度や生細胞密度の推定、力価や製品濃度のモデル化、培養異常の早期検出、フィード制御、スケールアップ時の工程比較などです。

従来のバイオプロセス分析計では、サンプルを採取してオフラインまたはアットラインで測定します。ラマン分光では、培養槽に挿入したプローブやフローセルを通じてスペクトルを取得するため、サンプリング頻度を高めやすく、手動サンプリングの作業負荷を減らせます。

Point
  • 培養液にレーザーを照射してラマンスペクトルを取得する
  • グルコース、乳酸、グルタミンなどをモデル推定できる
  • サンプル採取を減らし、リアルタイムに培養状態を追える
  • フィード制御、PAT、QbD、工程理解に使われる
  • CHO細胞の本培養、灌流培養、AAV製造、微生物発酵などで使われる
  • オフライン分析値を使ったモデル構築・検証が必要
  • プローブ、光ファイバー、滅菌、洗浄、モデル管理が重要になる

使用方法

基本的には、ラマンプローブをバイオリアクターに設置し、培養中にスペクトルを取得します。そのスペクトルとオフライン分析値を対応づけて、目的成分を推定するモデルを作ります。

1ラマン分析計を準備する
2ラマンプローブやフローセルを選定する
3バイオリアクターへプローブを設置する
4滅菌、SIP、またはシングルユース接続の適合性を確認する
5培養中にラマンスペクトルを取得する
6同じタイミングでオフライン分析値を取得する
7スペクトルと分析値を対応づける
8グルコース、乳酸、細胞密度などの予測モデルを作る
9モデル精度を検証する
10培養モニタリングやフィード制御に活用する
実際の運用は、測定目的、培養槽、プローブ仕様、サンプリング頻度、オフライン分析の信頼性、モデル構築方法、GMP対応、データ管理によって変わります。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)