原料受入
原料ロット、試験結果、使用可否を管理する。
- ロット管理
- 使用可否
SCADA/MESは、バイオ医薬品製造における装置制御、工程監視、製造実行、電子記録、品質管理をつなぐシステム群です。SCADAは製造設備や装置からデータを収集し監視・制御するシステム、MESは製造現場で「何を、どの順番で、誰が、どの装置を使って、どの条件で実行したか」を管理するシステムです。製造指図から電子バッチ記録、レビュー、承認、リリースまでを支援します。
SCADA/MESは、製造装置からデータを集め、工程を監視し、製造記録を電子化するために使われます。SCADAでは、複数の装置や工程を一つの画面で監視します。バイオリアクターのpH、DO、温度、撹拌、フィード、CIP/SIP、クロマトグラフィー、TFF、ろ過、製剤設備などの状態をリアルタイムに確認し、アラームやトレンドを管理します。
MESでは、製造指図、電子バッチ記録、作業手順、原料秤量、装置使用、工程パラメータ、逸脱、レビュー、承認を管理します。紙のバッチ記録ではなく、電子記録として製造履歴を残すことで、レビュー時間の短縮、転記ミス低減、データ完全性強化につながります。
基本的には、製造装置や分析装置からデータを取得し、工程監視・製造実行・電子記録へつなげます。
SCADAとMESはどちらも製造デジタル化に関係しますが、担当する階層が違います。
SCADAは「工程を見て制御する画面」、MESは「製造を実行し記録する仕組み」です。
Supervisory Control and Data Acquisition
Manufacturing Execution System
装置・工程の監視とデータ収集
製造指図・実行・電子バッチ記録
装置、センサー、PLC、DCS、工程データ
作業、原料、資材、装置、手順、記録
監視画面、トレンド、アラーム
作業指示、電子記録、レビュー画面
pH、DO、温度、流量、圧力、アラーム
バッチ記録、作業者、原料ロット、承認
リアルタイム監視、装置制御
GMP記録、製造実行、電子バッチ記録
PLC、DCS、装置制御システム
ERP、LIMS、QMS、SCADA、DCS
データ完全性、監査証跡、アクセス管理
EBR、電子署名、逸脱、レビュー、承認
| 項目 | PLC | DCS | SCADA | MES |
|---|---|---|---|---|
| 主な役割 | 装置単位の制御 | 工程・設備全体の制御 | 監視・データ収集 | 製造実行・記録 |
| 位置づけ | 下位制御 | 制御基盤 | 監視制御 | 製造管理 |
| 例 | バルブ、ポンプ、センサー制御 | 培養設備、精製設備の統合制御 | トレンド、アラーム、画面監視 | 電子バッチ記録、作業指示 |
| 主な利用者 | 設備・制御担当 | 製造・設備担当 | 製造・設備・QA | 製造・QA・管理者 |
| データ粒度 | 秒単位の制御信号 | 工程制御データ | 操作履歴、アラーム、トレンド | バッチ、作業、承認単位 |
| GMP論点 | 制御ロジック、変更管理 | 制御・データ完全性 | 監査証跡、記録管理 | EBR、電子署名、レビュー |
| システム | 主な役割 | MESとの関係 |
|---|---|---|
| LIMS | QC試験、サンプル、分析結果を管理する | 原料試験、工程内試験、出荷試験結果をMESへ渡す |
| QMS | 逸脱、変更、CAPA、文書、品質イベントを管理する | MESで発生した逸脱や変更をQMSへつなぐ |
| ERP | 購買、在庫、原価、販売、生産計画を管理する | 製造オーダー、原料在庫、資材情報をMESへ渡す |
| MES | 製造現場の実行と記録を管理する | LIMS/QMS/ERP/SCADAの間をつなぐ製造実行層 |
| SCADA | 装置データと工程監視を管理する | MESへ実測値、アラーム、工程データを渡す |
| 情報 | 内容 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 装置データ | pH、DO、温度、圧力、流量、撹拌、重量 | 工程監視、逸脱調査、トレンド解析 |
| アラーム | 上下限逸脱、装置異常、通信異常 | 異常検知、対応記録 |
| イベント | 操作、設定変更、開始/停止、ログイン | 監査証跡、データ完全性 |
| レシピ | 工程条件、ステップ、設定値、順序 | 製造再現性、作業標準化 |
| 製造指図 | どの製品をどの条件で作るか | 製造実行、スケジューリング |
| 電子バッチ記録 | 実行結果、確認、署名、逸脱 | GMP記録、QAレビュー |
| 原料・資材 | ロット、使用量、有効期限、在庫 | トレーサビリティ、誤使用防止 |
| 装置割当 | 使用装置、洗浄状態、校正状態 | 製造準備、適格性確認 |
| 作業者情報 | 権限、ログイン、操作履歴、電子署名 | アクセス管理、教育確認 |
| 品質結果 | IPC、QC結果、規格判定 | リリース判断、逸脱調査 |
| 変更・逸脱 | 例外処理、承認、CAPA連携 | 品質システム連携 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製造指図 | 実行すべき工程、条件、順序を示す |
| 作業手順 | 作業者が確認・入力・承認する手順 |
| 装置データ | SCADAやDCSから自動取得される実測値 |
| 原料ロット | 使用した原料・資材のロット情報 |
| 電子署名 | 作業者、確認者、承認者の電子承認 |
| 逸脱記録 | 規格外、手順外、アラーム、例外処理 |
| レビュー | 製造部門、QA、QCによる確認 |
| リリース | バッチの出荷・次工程移行判断 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| データ完全性 | ALCOA+を意識し、正確で追跡可能なデータを残す |
| 監査証跡 | 誰が、いつ、何を変更・承認したかを残す |
| アクセス管理 | ユーザー権限、パスワード、操作制限を管理する |
| 電子署名 | GMP記録の承認を電子的に行う |
| CSV | コンピュータ化システムバリデーションを実施する |
| 21 CFR Part 11 | 電子記録・電子署名の米国規制対応 |
| EU Annex 11 | コンピュータ化システムのEU GMP対応 |
| バックアップ | データ保管、復旧、災害対策を設計する |
| 変更管理 | システム更新、レシピ変更、マスター変更を管理する |
| 逸脱管理 | アラームや工程逸脱を記録・評価する |
| レビュー | 製造記録、アラーム、例外をQAが確認する |
| タイプ | 内容 | 向く用途 |
|---|---|---|
| 装置付属SCADA | バイオリアクターや装置に付属する監視ソフト | 開発、パイロット、単一装置 |
| 工程SCADA | 複数装置・工程を監視する | 本培養、精製、製剤、ユーティリティ |
| DCS統合SCADA | DCS上で工程監視・制御を行う | 大規模GMP製造 |
| 電子バッチ記録MES | 紙記録を電子化する | GMP製造、レビュー短縮 |
| 製造実行MES | 作業手順、装置割当、原料使用を制御する | 多品目製造、CDMO |
| ライン統合MES | 上流、下流、製剤、包装まで連携する | 商用製造、複数ライン |
| LIMS連携MES | QC試験結果と連携する | 原料試験、IPC、出荷試験 |
| ERP連携MES | 生産計画や在庫と連携する | 生産管理、資材管理 |
| QMS連携MES | 逸脱、CAPA、変更管理と連携する | 品質イベント管理 |
| クラウド型/ハイブリッド型 | クラウドやオンプレを組み合わせる | 拠点横断、データ統合 |
SCADA/MESは、原料受入から本培養、精製、製剤、QC、QAレビューまで横断して使われます。
原料ロット、試験結果、使用可否を管理する。
原料秤量、調製記録、ろ過記録、使用期限を管理する。
原料、濃度、浸透圧、ろ過、使用先バッチを記録する。
継代、細胞状態、培養条件、装置データを記録する。
pH、DO、温度、フィード、アラーム、操作履歴を管理する。
回収量、ろ過条件、圧力、フィルター情報を記録する。
カラム、バッファー、UV、導電率、pH、溶出画分を記録する。
pH、時間、温度、中和操作を記録する。
クロマト条件、画分、プール判断を管理する。
フィルター、圧力、流量、完全性試験を記録する。
濃縮倍率、TMP、導電率、バッファー交換量を記録する。
処方、混合、ろ過、充填前確認を管理する。
LIMSと連携し、試験結果をバッチ記録へ反映する。
電子記録、逸脱、アラーム、例外を確認する。
SCADA/MESは、GMP製造を行う幅広いモダリティーで製造実行・記録管理に使われます。