培地調製
本培養やシードトレインで使う培地を調製する。
- 培地
シングルユースミキサーは、使い捨てのバッグやシングルユース容器を用いて、培地、フィード、バッファー、工程液、原材料溶液などを混合・調製するための装置です。従来のステンレス製ミキシングタンクでは、使用後に洗浄、滅菌、洗浄バリデーション、配管確認が必要になります。一方、シングルユースミキサーでは、滅菌済みのバッグやシングルユースアセンブリを装着して使用するため、洗浄・滅菌作業を減らし、製品切替や多品目製造に対応しやすい点が特徴です。
シングルユースミキサーは、シングルユースバッグ内で液体や粉末を混合し、バイオプロセスに使う溶液を調製するために使われます。主な用途は、培地調製、フィード調製、バッファー調製、粉末培地の溶解、塩類の溶解、pH調整、導電率調整、工程液の一時保管、原材料溶液の調製などです。
上流工程だけでなく、下流精製のバッファー調製、製剤工程の溶液調製にも関係します。シングルユースバイオリアクターと組み合わせることで、培地調製から本培養、ハーベスト、下流工程まで、シングルユース流路でつなぎやすくなります。
基本的には、ミキサー本体にシングルユースバッグを装着し、水や原材料を投入して混合します。
シングルユースミキサーとステンレスミキシングタンクは、どちらも溶液調製に使われますが、運用思想が異なります。
シングルユースミキサーは「柔軟性と切替速度」、ステンレスミキシングタンクは「大容量・長期運用」が強みです。
固定式ステンレスタンク
使い捨てバッグ
CIP/SIPが必要
バッグ交換で対応しやすい
設備準備が重い
比較的早い
洗浄バリデーションが重要
多品目・短期切替に強い
大容量・長期運用に強い
小〜中〜大容量まで対応
洗浄水・薬液・蒸気が必要
プラスチック廃棄物が出る
洗浄、滅菌、設備投資、配管設計
バッグ供給、E&L、フィルム適合性
大量生産、固定ライン、長期運用
多品目、開発製造、柔軟な製造
| 項目 | シングルユースミキサー | 培地調製装置 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 混合・溶解する | 培地調製工程全体を支える |
| 対象 | 培地、フィード、バッファー、工程液 | 培地の秤量、溶解、pH調整、ろ過、保管、送液 |
| 装置範囲 | ミキサー本体+バッグ | ミキサー、秤量、センサー、ろ過、保管設備など |
| 主な確認 | 混合性能、バッグ仕様、容量 | 原料管理、調製記録、品質確認、供給 |
| 向く用途 | 溶液調製の中心装置 | GMP培地調製システム全体 |
| 項目 | シングルユースミキサー | フィード調製装置 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 液体や粉末を混合する | 高濃度フィードを安定して調製する |
| 対象液 | 培地、バッファー、フィード、工程液 | 濃縮フィード、添加液、栄養濃縮液 |
| 注意点 | 混合時間、バッグ、撹拌性能 | 高濃度成分、沈殿、pH、浸透圧、ろ過性 |
| 測定項目 | pH、導電率、温度、重量など | pH、浸透圧、導電率、外観、濃度 |
| 関連工程 | 培地調製、バッファー調製、工程液調製 | フェッドバッチ、本培養、フィード添加 |
| 項目 | シングルユースミキサー | シングルユースバッグ |
|---|---|---|
| 役割 | 混合・撹拌する装置 | 液体を入れる使い捨て容器 |
| 構成 | タンク、駆動部、撹拌機構、ロードセル、制御部 | フィルム、ポート、チューブ、コネクター |
| 再利用 | 装置本体は再利用 | バッグは使い捨て |
| 選定軸 | 容量、混合性能、センサー、設置性 | フィルム、E&L、ポート構成、滅菌、接続 |
| 注意点 | 混合時間、粉末溶解、制御性 | 供給安定性、適合性、カスタム仕様 |
| タイプ | 内容 | 向く用途 |
|---|---|---|
| インペラー内蔵バッグ型 | バッグ内に撹拌機構を持つタイプ | 培地、バッファー、フィード調製 |
| マグネット駆動型 | 磁気カップリングで非接触駆動する | 無菌性、密閉性を重視する混合 |
| レビテーション型 | 浮上式インペラーで低せん断に混合する | 細胞にやさしい混合、広い容量範囲 |
| ロッキング型 | バッグを揺らして混合する | 低せん断混合、小容量液 |
| 循環混合型 | ポンプ循環で混合する | 大容量、バッファー、工程液 |
| 小容量ミキサー | 5〜20 L程度 | 開発、少量フィード、試験製造 |
| 中容量ミキサー | 50〜500 L程度 | 培地・フィード調製、開発製造 |
| 大容量ミキサー | 1000 L以上 | GMP製造、大量培地・バッファー調製 |
| ジャケット付きタイプ | 温調機能を持つ | 温度管理が必要な溶解や保管 |
| ロードセル付きタイプ | 重量を測りながら調製できる | 原料投入、調製記録、GMP運用 |
シングルユースミキサーは、溶液調製が必要な上流から下流まで幅広い工程で使われます。
本培養やシードトレインで使う培地を調製する。
フェッドバッチ培養で使う濃縮フィードを調製する。
下流精製やUF/DFで使うバッファーを調製する。
粉末培地、塩類、糖、アミノ酸、添加剤を溶解する。
培地・フィードを本培養槽へ供給する前工程として使われる。
種培養用の培地や添加液を調製する。
工程液や洗浄液、処理液の調製に関係する場合がある。
平衡化、洗浄、溶出、中和バッファー調製に使われる。
ダイアフィルトレーションバッファー、濃縮液周辺で使われる。
製剤バッファー、賦形剤溶液、処方液の調製に使われる。
多品目製造や製造切替の柔軟性を高める設備として使われる。
シングルユースミキサーは、培地・バッファー・工程液の調製が関係する多くのモダリティーで使われます。