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培地調製装置

培地調製装置は、細胞培養に使用する培地を調製するための装置・システムです。粉末培地や濃縮培地を水に溶解し、必要に応じてpHや浸透圧を調整し、ろ過滅菌して、培養槽や保管バッグへ供給します。原料投入、粉末溶解、pH調整、導電率・浸透圧確認、ろ過滅菌、保管、送液、記録管理までを含む、本培養前の重要な準備工程です。

粉末溶解pH・浸透圧調整ろ過滅菌保管・送液

用途・特徴

培地調製装置は、細胞培養に必要な培地を安定して調製するために使われます。主な用途は、粉末培地の溶解、液体培地の希釈、濃縮培地の調製、培地添加剤の混合、pH調整、浸透圧確認、ろ過滅菌、培地保管、培養槽への送液です。

研究段階では手作業や小型ミキサーで調製することもありますが、本培養やGMP製造では、培地調製量が大きくなり、原料管理、調製記録、無菌性、ろ過性、供給タイミングが重要になります。

Point
  • 細胞培養用培地を調製するための装置・システム
  • 粉末培地の溶解、pH調整、浸透圧確認、ろ過滅菌に関係する
  • シングルユースミキサー、ステンレスタンク、フィルター、ポンプと組み合わせる
  • 本培養、シードトレイン、細胞治療、ウイルスベクター製造で使われる
  • 培地調製のばらつきは細胞増殖や品質に影響する
  • GMP製造では原料ロット、秤量、調製記録、ろ過記録が重要
  • 培地・フィード・サプリメント・浸透圧計・バイオプロセス分析計とセットで考える

使用方法

基本的には、原料と水を調製容器に入れ、混合しながら溶解・調整・ろ過を行います。

1調製量を決める
2使用する水、培地原料、添加剤を準備する
3原料ロットと秤量記録を確認する
4調製容器またはシングルユースバッグに水を入れる
5粉末培地や原料を投入する
6ミキサーで溶解・混合する
7必要に応じてpH、導電率、浸透圧を確認する
8添加剤やサプリメントを加える
9ろ過滅菌する
10保管バッグ、培地タンク、培養槽へ送液する
11調製記録、ろ過記録、使用期限を管理する
実際の運用は、培地の種類、調製量、原料形態、シングルユース化の有無、ろ過要件、GMP対応、製造施設の設計によって変わります。

シングルユースミキサーとの違いは?

培地調製装置とシングルユースミキサーは重なりますが、指している範囲が違います。

結論

シングルユースミキサーは「混ぜる装置」、培地調製装置は「培地を製造に使える状態に整える工程システム」と整理できます。

主な役割

バッグ内で混合・溶解する

培地調製工程全体を支える

対象

培地、フィード、バッファー、工程液

細胞培養用培地

範囲

ミキサー本体、バッグ、撹拌機構

原料投入、秤量、混合、pH調整、ろ過、保管、送液

主な確認

混合時間、バッグ仕様、溶解性

組成、pH、浸透圧、無菌性、記録

工程位置

調製設備の一部

本培養前の準備工程全体

向くページ構成

装置・バッグ中心

工程・装置・品質確認中心

フィード調製装置との違いは?

項目培地調製装置フィード調製装置
主な対象基礎培地、シード培地、本培養培地濃縮フィード、栄養添加液
使用量大容量になりやすい比較的小容量だが高濃度
主な目的培養開始時の環境を作る培養途中の栄養補給を行う
注意点溶解性、pH、浸透圧、ろ過性、無菌性高濃度成分、沈殿、浸透圧、安定性
関連工程シードトレイン、本培養開始フェッドバッチ、本培養中盤〜終盤
品質影響細胞立ち上がり、増殖、代謝産生量、乳酸、アンモニア、糖鎖、浸透圧

培地・フィードとの違いは?

項目培地・フィード培地調製装置
位置づけ細胞に与える液体・粉末製品培地を作る装置・工程
CHO培地、HEK293培地、フィードミキサー、調製タンク、ろ過装置、ポンプ
主な論点組成、細胞適合性、産生性、品質影響溶解、調製、無菌化、保管、送液
選定者研究者、プロセス開発、製造プロセス開発、製造、設備、品質保証
関係培地そのものの性能培地性能を再現よく使うための仕組み

培地調製で確認する項目

確認項目内容目的
外観溶け残り、濁り、沈殿、色調溶解不良や異常の確認
pH培地の酸塩基状態細胞培養条件の確認
浸透圧溶質全体の濃さ細胞ストレスやフィード影響の確認
導電率イオン濃度の目安塩類濃度や調製ミスの確認
温度調製時・保管時の温度溶解性や安定性の確認
ろ過性フィルター詰まりや流量ろ過滅菌の成立確認
無菌性微生物汚染の有無GMP・品質管理
エンドトキシングラム陰性菌由来成分細胞治療や一部工程で重要
原料ロット使用原料の追跡逸脱調査・変更管理
使用期限調製後の保管可能時間品質維持・工程管理

主なタイプ

タイプ内容向く用途
シングルユース培地調製システムバッグとミキサーで培地を調製する多品目製造、開発製造、GMP製造
ステンレス培地調製タンク固定式タンクで培地を調製する大量調製、商用固定ライン
小型調製ミキサー研究・開発スケールの培地を調製するラボ、プロセス開発
大容量調製システム500 L〜数千Lの培地を調製する本培養、商用製造
粉末培地溶解システム粉末培地の投入・溶解を重視する大量培地調製
液体培地希釈システム濃縮液や液体培地を希釈する迅速調製、閉鎖系運用
ろ過滅菌一体型調製後にフィルターへ接続する無菌培地供給
保管・送液一体型調製後に保管バッグや培養槽へ送液するGMP製造、閉鎖系工程
自動化調製システム秤量、添加、混合、記録を自動化する大規模製造、データ管理重視

選定ポイント

調製容量10 L、50 L、100 L、500 L、1000 L以上に対応するか
培地形態粉末培地、液体培地、濃縮培地、AGTに対応するか
水質WFI、PW、RO水、注射用水など運用に合うか
溶解性能粉末のダマ、泡立ち、溶解時間、均一性
撹拌方式インペラー、レビテーション、循環混合、ロッキングなど
pH調整pHセンサー、酸・塩基添加、調整記録に対応するか
浸透圧確認調製後の浸透圧確認を工程に組み込めるか
導電率確認塩類濃度や調製ミス確認に使えるか
ろ過滅菌0.2 µmフィルター、ろ過圧、ろ過時間、フィルター容量
保管調製後の保管時間、温度、閉鎖性、撹拌維持
送液培養槽、保管バッグ、シングルユース流路へ接続できるか
無菌接続チューブウェルダー、無菌コネクター、閉鎖系移送
原料管理秤量、ロット、バーコード、電子記録に対応できるか
GMP対応IQ/OQ、CSV、SOP、変更管理、監査証跡
供給安定性バッグ、フィルター、チューブ、原料の供給体制
保守ミキサー、センサー、ロードセル、ポンプ、制御部の点検

使用される工程

培地調製装置は、培地を準備するあらゆる細胞培養・製造工程で使われます。

細胞株開発・クローン選抜

評価培養やスクリーニング用培地を調製する。

主な用途
  • 評価培養

セルバンク

MCB/WCB作製・評価培養用の培地を調製する。

主な用途
  • MCB/WCB

融解・回復培養

WCB融解後の回復培養用培地を準備する。

主な用途
  • 回復培養

シードトレイン

段階的拡大に使う培地を調製する。

主な用途
  • 拡大培養

本培養

大量の本培養用培地を調製し、培養槽へ供給する。

主な用途
  • 大量調製
  • 送液

フェッドバッチ培養

基礎培地とフィード調製の前段に関係する。

主な用途
  • フィード前段

灌流培養

連続供給する大量培地の調製に使われる。

主な用途
  • 連続供給

ウイルスベクター製造

HEK293、Sf9、Producer Cell用培地を調製する。

主な用途
  • ベクター製造

細胞治療製造

T細胞、NK細胞、MSC、iPS由来細胞用培地を調製する。

主な用途
  • 細胞製剤

ワクチン製造

Vero、MDCK、昆虫細胞などの培地調製に使われる。

主な用途
  • 細胞基材

GMP製造

調製記録、原料ロット、ろ過記録を管理しながら運用する。

主な用途
  • 記録管理

使用されるモダリティー

培地調製装置は、細胞培養を行うほとんどのモダリティーで使われます。

抗体医薬
関連度
CHO細胞シードトレイン本培養
本培養用培地やシード培地の調製に使われる。
ADC
関連度
抗体原薬用CHO細胞
抗体部分の細胞培養用培地調製で使われる。
二重特異性抗体
関連度
CHO細胞複数鎖発現
抗体医薬と同様に培地調製が重要。
Fc融合タンパク質・組換えタンパク質
関連度
CHOHEK293細胞培養
組換えタンパク質生産用培地の調製に使われる。
AAV
関連度
HEK293Sf9Producer Cell
ウイルスベクター製造細胞用培地を調製する。
レンチウイルス
関連度
HEK293TProducer Cell
ベクター産生細胞の培地調製に関係する。
ワクチン
関連度
VeroMDCK昆虫細胞
細胞基材やウイルス増殖用培地を調製する。
細胞治療
関連度
T細胞NK細胞MSCCAR-T
培地、洗浄液、処理液の調製に関係する。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度
iPS細胞MSC分化細胞
維持培地、分化培地、拡大培地の調製に使われる。
遺伝子編集
関連度中〜高
編集細胞回復培養拡大培養
編集後細胞の培地調製で使われる。
mRNA-LNP
関連度
評価細胞原料酵素製造関連細胞培養
mRNA合成本体よりも関連細胞培養で関係する。
プラスミドDNA
関連度中〜高
大腸菌培地発酵培地
プラスミド製造用発酵培地の調製で使われる。
微生物発酵
関連度
大腸菌酵母発酵培地
発酵培地調製で重要。
低分子医薬品
関連度
細胞アッセイ微生物発酵評価系
製造工程よりも発酵・評価系で関係する。

メーカー製品

培地調製用シングルユースミキサー11
CytivaXcellerex XDM Mixersバッファー、培地、中間体、製品液などのプロセス液混合に使われるシングルユースミキサー。培地調製の中心装置として使われる。公式URL CytivaXcellerex XDM / XDUO Mixing Systems培地・バッファー調製、工程液混合、上流・下流のシングルユース混合用途に使われる。公式URL CytivaXDM Single-Use Mixer Bags with Fortem FilmXDMミキサー用のシングルユースバッグ。上流・下流の幅広い混合用途に対応する。公式URL SartoriusFlexsafe Pro Mixer5〜3000 Lの混合に対応するシングルユースミキサー。buffer/media preparationからdownstream、final formulationまで幅広く使われる。公式URL SartoriusFlexsafe Bags for Pro MixerFlexsafe Pro Mixer用バッグ。5 L〜3000 Lのサイズ展開があり、培地・バッファー調製に使われる。公式URL Thermo Fisher ScientificHyPerforma Single-Use Mixer粉末培地調製、バッファー水和、下流中間体プーリングなどに使われるシングルユースミキサー。50〜2000 Lサイズを展開する。公式URL Thermo Fisher ScientificHyPerforma Mixtainer System細胞培養培地、バッファー、試薬、バルク原薬中間体などの混合に使われる統合型シングルユースミキシングシステム。公式URL Merck / MilliporeSigmaMobius Single-Use Mixing Systemsバッファーや培地などのprocess solutions調製に対応するシングルユースミキシングシステム。CIP/SIPや洗浄バリデーションの負荷を減らしやすい。公式URL Merck / MilliporeSigmaMobius FlexReady Solution for Buffer and Media Preparationバッファー・培地調製向けのシングルユースアセンブリを組み合わせたソリューション。公式URL MeissnerOne-Touch Mixing Systemsシングルユースバッグ、チューブ、コネクターを組み合わせた混合システム。培地・バッファー調製に関係する。公式URL ABECCustom Single-Use Mixing Systems大容量・カスタム仕様のシングルユース混合システム。GMP製造設備や培地調製設備で使われる。公式URL

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