培地・フィード調製
調製後の培地サンプルを採取し、pH、浸透圧、無菌性などを確認する。高濃度フィードの外観、pH、浸透圧、ろ過性確認にも使う。
- pH・浸透圧確認
- 無菌性確認
サンプリングバッグは、バイオ医薬品製造の工程中で、培養液、培地、フィード、バッファー、中間体、製剤液などの少量サンプルを無菌的に採取・一時保管・移送するためのシングルユースバッグです。培養槽、シングルユースバッグ、フィルター、精製装置、製剤ラインから、閉鎖系に近い形でサンプルを採取しやすくなります。
サンプリングバッグは、工程中の液体サンプルを採取し、分析や保管へつなぐために使われます。主な用途は、本培養中の培養液サンプリング、培地・フィード調製後の確認、ハーベスト前後の工程液採取、Protein A溶出液やプール液の確認、UF/DF中の濃縮液サンプリング、製剤液の充填前確認、細胞治療工程での細胞懸濁液サンプリングなどです。
バイオプロセスでは、サンプルそのものが品質判断の入口になります。サンプル採取が不適切だと、分析値が工程を代表しない、汚染が混入する、採取時刻がずれる、サンプルIDが混乱する、再測定できないといった問題が起きます。サンプリングバッグは、バッグ容量、フィルム、チューブ、無菌コネクター、クランプ、ラベル、サンプル識別、保管条件、E&L、滅菌証明、トレーサビリティまで含めて、工程内管理と品質確認を支える重要なシングルユース部材です。
基本的には、サンプリング対象のラインやバッグにサンプリングバッグを接続し、必要量を採取します。
サンプリングバッグは、シングルユースバッグの一種ですが、用途がサンプル採取に特化しています。
シングルユースバッグは「工程液を扱う容器」、サンプリングバッグは「工程を確認するためのサンプル容器」です。
保管、混合、移送、培養、サンプリング
少量サンプルの採取・保管・移送
mL〜数千L
mL〜数L程度が中心
上流〜下流〜製剤まで広く使う
工程内確認・QC・アットライン分析
容量、フィルム、ポート、保管性
サンプル代表性、ラベル、採取時刻、無菌性
用途により多様
サンプリングポート、チューブ、クランプ、コネクター中心
E&L、供給性、破損
取り違え、採取量、デッドボリューム、保管時間
| 項目 | サンプリングバッグ | サンプリングボトル・チューブ |
|---|---|---|
| 主な形状 | 柔軟なバッグ | 硬質ボトル、遠沈管、バイアル |
| 無菌接続 | チューブやコネクターで接続しやすい | 開放操作になりやすい場合がある |
| 閉鎖系運用 | 組みやすい | 容器仕様による |
| 大きな強み | バッグラインに直接つなぎやすい | 分析装置や遠心操作に直接使いやすい |
| サンプル量 | 中〜少量に対応しやすい | 少量分析に向く |
| 保管性 | 二次包装や支持方法が必要 | 自立・冷蔵保管しやすい |
| 注意点 | ラベル、折れ、液残り、破損 | 開閉操作、汚染、取り違え |
| 項目 | サンプリングバッグ | 自動サンプリング装置 |
|---|---|---|
| 役割 | サンプルを受ける容器 | サンプルを自動採取・送液する装置 |
| 操作 | 手動接続・手動採取が多い | 設定時刻に自動採取 |
| 対象 | 工程液、培養液、サンプル | 複数培養槽、分析装置、フラクション |
| 強み | シンプル、低コスト、閉鎖系に組みやすい | 高頻度、多点、夜間・休日対応 |
| 注意点 | 採取時刻、手順、ラベル管理 | 流路洗浄、キャリーオーバー、装置連携 |
| 使い分け | 定期・単発サンプリング | 多槽・高頻度・PAT用途 |
| 構成要素 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| サンプリングバッグ | サンプルを受けるバッグ | 容量、フィルム、滅菌、ラベル |
| チューブ | サンプリングライン | 内径、長さ、材質、デッドボリューム |
| 無菌コネクター | 流路を閉鎖系で接続する | サイズ、操作性、互換性 |
| クランプ | 流路を開閉する | 誤開放防止、操作順 |
| チューブシーラー | サンプル採取後に封止する | チューブ材質、封止条件 |
| ラベル | サンプル識別 | サンプルID、時刻、工程名、ロット |
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 採取位置 | 培養槽内、配管、バッグ、フィルター前後で値が変わることがある |
| 混合状態 | 槽内が均一でないと、採取位置で値が変わる |
| 初流廃棄 | ライン内の古い液をそのまま採取すると値がずれる |
| 細胞沈降 | チューブやバッグ内で細胞が沈むと代表性が落ちる |
| 気泡 | 気泡混入で液量や分析値に影響することがある |
| サンプル劣化 | 採取後に代謝や分解が進むことがある |
| 温度 | 冷蔵・室温・凍結で成分や細胞状態が変わる |
| 保管時間 | 分析までの時間が長いと値が変わる可能性がある |
| 分析項目 | 主な分析装置・方法 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 細胞数・生存率 | 自動セルカウンター | 培養状態、ハーベスト判断 |
| グルコース | バイオプロセス分析計 | フィード判断、栄養管理 |
| 乳酸 | バイオプロセス分析計 | 代謝状態、pH変化 |
| グルタミン・アンモニア | バイオプロセス分析計 | 窒素代謝、培養負荷 |
| pH | pHメーター、血液ガス分析系 | 培養環境確認 |
| 浸透圧 | 浸透圧計 | フィード影響、濃縮、培地確認 |
| 力価 | HPLC、Octet、ELISA | 産生量、ハーベスト判断 |
| 糖鎖 | HILIC、LC-MS | 品質変化、培養条件影響 |
| 電荷異性体 | CEX、icIEF | 品質特性、培養条件影響 |
| HCP/DNA | ELISA、qPCR | 不純物・下流工程確認 |
| 無菌性 | 無菌試験 | 汚染確認 |
| エンドトキシン | LAL、組換え試薬 | 原料・工程液確認 |
| タイプ | 内容 | 向く用途 |
|---|---|---|
| 小容量2Dバッグ | mL〜数百mL程度の平袋 | 工程中サンプル、QCサンプル |
| 中容量2Dバッグ | 500 mL〜数L程度 | 培養液、バッファー、中間体サンプル |
| サンプリングアセンブリ | バッグ、チューブ、コネクター一体型 | 閉鎖系サンプリング |
| マルチバッグアセンブリ | 複数バッグを連結した構成 | 時系列サンプル、複数分析 |
| 細胞サンプル用バッグ | 細胞懸濁液を採取するバッグ | 細胞治療、MSC、T細胞、iPS由来細胞 |
| 上清サンプル用バッグ | 細胞除去後の上清を採取する | 代謝物、力価、品質分析 |
| 凍結対応バッグ | 採取後に凍結保管できる | 再測定、外部試験、保管 |
| 出荷用サンプルバッグ | 外部試験機関へ送るためのバッグ | 受託試験、リリース試験 |
| カスタムサンプリングバッグ | 特定工程に合わせた流路構成 | GMP製造、多品目製造 |
サンプリングバッグは、工程中の確認やQCが必要な多くの工程で使われます。
調製後の培地サンプルを採取し、pH、浸透圧、無菌性などを確認する。高濃度フィードの外観、pH、浸透圧、ろ過性確認にも使う。
細胞数、生存率、代謝物を確認するために使う。
培養中の細胞状態、代謝物、力価、品質確認に使う。灌流培養では供給液、排液、培養液の定期サンプル採取に使う。
清澄化前後のサンプルを採取し、濁度や不純物を確認する。
ロード液、溶出液、プール液の確認に使う。低pHウイルス不活化ではpH、時間、保持後サンプル確認に使う。
画分、プール液、工程液の確認に使う。ウイルスろ過ではろ過前後サンプルや完全性試験関連サンプルに使う。
濃縮液、透析液、バッファー交換後サンプルに使う。製剤液、充填前液、ろ過後液の確認にも使う。
細胞懸濁液、洗浄液、凍結保存前サンプルに使う。
サンプル保管、受託試験への送付に使う。
サンプリングバッグは、工程中サンプルが必要なほぼすべてのモダリティーで使われます。