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サプリメント

サプリメントは、細胞培養培地に追加して、細胞の増殖、回復性、産生性、分化、活性化、せん断耐性、凝集抑制、代謝、品質特性などを調整するための補助成分です。培地が基本環境を作るのに対し、サプリメントは特定の細胞種や工程目的に合わせて不足成分を補ったり、細胞状態を安定させたりするために使われます。

増殖補助せん断保護分化・活性化GMP対応

用途・特徴

サプリメントは、培地だけでは足りない機能を補うために使います。例えば、L-グルタミンやGlutaMAXは細胞のエネルギー代謝や増殖に関係します。ポロキサマー188やPluronic F-68は、振とう培養やバイオリアクター培養で細胞をせん断ストレスから保護する目的で使われます。

抗凝集剤は浮遊細胞の凝集を抑え、培養の均一性や細胞数測定を安定させるために使われます。T細胞やNK細胞では、IL-2、IL-7、IL-15、IL-21などのサイトカインが増殖や機能維持に関係します。MSCやiPS細胞では、FGF、TGF-β、BMP、Activin Aなどの成長因子や分化因子が重要になることがあります。

Point
  • 培地に追加して細胞状態や培養性能を調整する成分
  • 増殖、回復、産生、分化、活性化、せん断保護、凝集抑制に関係する
  • CHO細胞ではグルタミン、ポロキサマー、抗凝集剤などが使われる
  • 細胞治療ではサイトカインや成長因子が重要になる
  • iPS/MSCでは未分化維持や分化誘導に関係する
  • 添加量が多すぎると、浸透圧、代謝、品質、細胞状態に影響する
  • GMP用途ではグレード、由来、CoA、動物由来成分、ロット管理が重要になる

使用方法

基本的には、使用する基礎培地に必要なサプリメントを添加し、細胞種や工程目的に合わせて濃度や添加タイミングを調整します。

1細胞種と工程目的を確認する
2基礎培地を選定する
3必要なサプリメントを選ぶ
4添加濃度を決める
5培地へ無菌的に添加する
6細胞を播種する
7培養中に細胞数・生存率・代謝・形態を確認する
8必要に応じて追加添加や条件変更を行う
9産生量、品質、表現型、機能を評価する
10スケールアップやGMP運用で再現性を確認する
実際の条件は、細胞種、培地、培養方式、サプリメントの種類、濃度、添加タイミング、GMP要件、品質目標によって変わります。

培地・フィードとの違いは?

項目培地フィードサプリメント
主な役割細胞培養の基本環境を作る培養途中で栄養を追加する特定機能を補助・調整する
使用タイミング播種時、継代時、培地交換時培養途中播種前、培養中、分化/活性化時
成分アミノ酸、糖、塩類、ビタミンなど濃縮栄養成分グルタミン、脂質、成長因子、サイトカインなど
主な目的増殖・維持産生維持、栄養補給増殖補助、機能維持、分化、せん断保護
注意点細胞適合性添加量、浸透圧、代謝負荷過添加、品質影響、ロット差
関連工程融解、継代、シード、本培養フェッドバッチ、本培養細胞種別最適化、細胞治療、特殊培養

成長因子・サイトカインとの関係

分類主な用途
サイトカインIL-2、IL-7、IL-15、IL-21、GM-CSFなどT細胞、NK細胞、免疫細胞の活性化・増殖
成長因子FGF、EGF、VEGF、PDGFなど幹細胞、初代細胞、MSC、分化細胞の増殖
分化因子Activin A、BMP、TGF-β、Wnt関連因子などiPS細胞の分化誘導、組織特異的分化
培養補助因子インスリン、トランスフェリン、セレンなど無血清培地での増殖補助
せん断保護成分Pluronic F-68、Poloxamer 188など浮遊培養、シェーカー、バイオリアクター
抗凝集剤Anti-Clumping Agentなど浮遊細胞の凝集抑制
選択試薬Puromycin、G418、MTX、MSXなど安定発現株作製、クローン選抜

研究用とGMPグレードの違い

項目研究用グレードGMP・製造用グレード
主な用途研究、条件検討、初期開発臨床製造、商用製造、GMP工程
文書SDS、CoA中心CoA、由来情報、製造管理、変更管理など
ロット管理比較的簡易厳格なロット管理が必要
動物由来成分製品によるanimal-free、ADCF、xeno-freeが重視される
コスト比較的低い高い
供給少量・研究向け安定供給・長期供給が重要
注意点製造転用しにくい場合がある早期からグレード変更を見据える必要がある

主なタイプ

タイプ内容向く用途
グルタミン・安定化グルタミンL-グルタミン、GlutaMAXなど増殖、代謝、長期培養
せん断保護剤Poloxamer 188、Pluronic F-68などシェイクフラスコ、バイオリアクター、浮遊培養
抗凝集剤Anti-Clumping AgentなどCHO、HEK293、浮遊細胞
脂質サプリメントChemically Defined Lipid Concentrateなど無血清培養、産生補助
ITS系サプリメントInsulin-Transferrin-Selenium無血清培養、初代細胞、幹細胞
サイトカインIL-2、IL-7、IL-15、IL-21などT細胞、NK細胞、免疫細胞
成長因子FGF、EGF、VEGF、PDGFなど幹細胞、MSC、初代細胞
分化誘導因子Activin A、BMP、TGF-βなどiPS細胞、分化プロトコル
選択試薬Puromycin、G418、MSX、MTXなど安定発現株作製、クローン選抜
抗生物質Penicillin-Streptomycinなど研究用培養、汚染対策補助
凍結回復補助ROCK inhibitor、DNaseなどiPS細胞、細胞治療、解凍後回復
品質調整因子マンガン、ガラクトース、糖鎖関連添加物など糖鎖、品質特性、CQA調整

選定ポイント

細胞種CHO、HEK293、T細胞、NK細胞、MSC、iPSなどに適しているか
目的増殖、回復、産生、分化、活性化、凝集抑制、せん断保護のどれか
培地適合性使用中の基礎培地やフィードと相性がよいか
添加濃度推奨濃度、上限、毒性、過添加リスクを確認する
添加タイミング播種時、培養途中、分化誘導時、フィード時のどれか
品質影響糖鎖、電荷異性体、凝集体、HCP、細胞表現型に影響しないか
代謝影響乳酸、アンモニア、pH、浸透圧への影響を確認する
グレードRUO、CTS、GMP、製造用グレードのどれか
由来動物由来成分、ヒト由来成分、組換え、animal-freeの確認
文書CoA、SDS、TSE/BSE、原料由来、変更通知に対応するか
ロット差ロット間差、性能評価、受入試験の必要性
供給安定性長期供給、リードタイム、セカンドソースがあるか
コスト添加量、培養スケール、商用製造時のコスト影響

使用される工程

サプリメントは、細胞の状態調整や培養性能の最適化が必要な多くの工程で使われます。

細胞株開発・クローン選抜

遺伝子導入後の回復、選択培養、クローン増殖補助に使われる。

主な用途
  • 回復補助
  • 選択培養

遺伝子導入・安定発現株作製

選択試薬、抗凝集剤、回復補助成分が関係する。

主な用途
  • 選択試薬
  • 回復補助

単一細胞化・ウェル播種

単一細胞の生存・増殖を支える添加成分が使われる場合がある。

主な用途
  • 生存補助

クローン性確認・増殖観察

低密度播種時の増殖補助に関係する。

主な用途
  • 増殖補助

セルバンク

凍結前後の回復性、細胞状態維持、選択圧維持に関係する。

主な用途
  • 回復性
  • 状態維持

融解・回復培養

解凍後の細胞回復を助ける成分が使われる場合がある。

主な用途
  • 解凍後回復

シードトレイン

細胞増殖、凝集抑制、せん断保護、代謝安定化に関係する。

主な用途
  • せん断保護
  • 凝集抑制

段階的な拡大培養

シェイクフラスコやバッグ培養でのせん断保護・凝集抑制に使われる。

主な用途
  • 拡大培養

小型培養装置

撹拌・通気条件下での細胞保護や代謝調整に使われる。

主な用途
  • 細胞保護
  • 代謝調整

本培養

フィードや品質調整因子として使われる場合がある。

主な用途
  • 品質調整

細胞治療製造

サイトカイン、成長因子、活性化因子、GMPサプリメントが重要。

主な用途
  • サイトカイン
  • GMP原材料

再生医療等製品

iPS/MSCの維持、分化、回復、品質維持に関係する。

主な用途
  • 未分化維持
  • 分化誘導

品質評価・分析

細胞状態の違いが分析結果や製品品質に影響する。

主な用途
  • 品質影響

使用されるモダリティー

サプリメントは、細胞培養を伴う多くのモダリティーで使われます。

抗体医薬
関連度
CHO細胞シードトレイン本培養細胞株開発
グルタミン、せん断保護、抗凝集、選択試薬、品質調整に関係する。
ADC
関連度
抗体原薬用CHO細胞
抗体部分の産生細胞培養で抗体医薬と同様に使われる。
二重特異性抗体
関連度
CHO細胞複数鎖発現品質制御
産生量や品質調整に関係する場合がある。
Fc融合タンパク質・組換えタンパク質
関連度
CHOHEK293産生細胞
増殖、発現、せん断保護、代謝管理に使われる。
AAV
関連度
HEK293Sf9Producer Cell
ウイルスベクター製造細胞の増殖・発現・保護に使われる。
レンチウイルス
関連度
HEK293TPackaging CellProducer Cell
ベクター産生細胞や細胞治療工程で使われる。
ワクチン
関連度
VeroMDCK昆虫細胞細胞基材
細胞基材の増殖やウイルス産生に関係する。
細胞治療
関連度
T細胞NK細胞MSCCAR-T
サイトカイン、成長因子、活性化因子、GMP原材料が重要。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度
iPS細胞MSC分化細胞
未分化維持、分化誘導、解凍後回復、細胞機能維持に使われる。
遺伝子編集
関連度
編集細胞回復培養クローン化
編集後の細胞回復、単一細胞増殖、選択に関係する。
mRNA-LNP・mRNA医薬
関連度
評価細胞発現評価細胞アッセイ
製造本体よりも細胞評価や関連細胞培養で使われる。
プラスミドDNA
関連度低〜中
大腸菌培養評価細胞
微生物用添加剤と哺乳類評価細胞用で用途が分かれる。
微生物発酵
関連度
大腸菌酵母発酵培地
微量元素、誘導剤、抗生物質などが関係する。
低分子医薬品
関連度
細胞アッセイ毒性評価薬効評価
評価細胞の維持や反応性に影響する。

メーカー製品

サイトカイン・成長因子8
Sartorius / CellGenixCellGenix Growth Factors and Cytokines動物由来成分フリーの組換えサイトカイン・成長因子。細胞・遺伝子治療や再生医療向けに、PreclinicalグレードとGMPグレードを展開する。公式URL Sartorius / CellGenixCellGenix GMP CytokinesGMPグレードのサイトカイン製品群。臨床・商用製造への移行を見据えた細胞治療工程材料として使われる。公式URL PeproTech / Thermo Fisher ScientificRecombinant Cytokines and Growth FactorsT細胞、NK細胞、幹細胞、初代細胞などの培養で使われるサイトカイン・成長因子製品群。公式URL R&D Systems / Bio-TechneRecombinant Proteins / Cytokinesサイトカイン、成長因子、抗体、ELISA関連製品を展開。細胞培養や分化誘導で使われる。公式URL Miltenyi BiotecMACS GMP Cytokines細胞治療製造向けのGMPサイトカイン製品群。CliniMACSワークフローや免疫細胞培養で使われる。公式URL STEMCELL TechnologiesCytokines and Growth Factors幹細胞、免疫細胞、初代細胞向けのサイトカイン・成長因子製品群。公式URL FUJIFILM Irvine ScientificCytokines / Growth Factors / PRIME-XV Supplements細胞治療・再生医療向け培地と組み合わせるサイトカイン・成長因子・サプリメント製品群。公式URL LonzaCytokines and Growth Factors初代細胞、免疫細胞、幹細胞培養向けのサイトカイン・成長因子製品群。公式URL

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