知っておきたいこと
4つの製造拠点の分担
Minarisの製造拠点は、米国のフィラデルフィアとアレンデール、ドイツのミュンヘン、日本の横浜にあります。細胞治療は4か所すべてで受けていて、ウイルスベクターのGMP製造はフィラデルフィアで行います。同社は、全拠点で同じ品質システムと手順を使い、拠点の間で製造を移しやすくしていると説明しています。
フィラデルフィアは最も大きな拠点です。3つの施設に、細胞治療の製造室11室、ウイルスベクターの製造室8室、工程開発のラボ12室を持ちます。試験専用の施設もここにあり、本社を兼ねています。アレンデールは1999年にProgenitor Cell Therapyとして始まった拠点で、2024年にFDAから商用生産の承認を受けました。ミュンヘンは2011年からGMPの認証を受け、細胞・遺伝子治療の商用製品2品目を扱っています。
横浜で受ける細胞治療
横浜の拠点は、2021年から再生医療等製品の製造の許可を受けています。Grade Bのクリーンルームが6室、工程開発と分析法開発のラボが3室、微生物と生物活性を調べる品質管理のラボが6室あります。
工程開発と分析法開発から、治験用と商用の製造までを横浜の中で行います。同社は、横浜が特に商用供給に強いとし、CAR-T、間葉系幹細胞、iPS細胞の案件を進めていると説明しています。もとは日立化成が2018年に、日本での商用生産のために開いたGMP施設です。
横浜で受けるのは細胞治療で、ウイルスベクターの製造は米国の拠点が担います。
旧日立化成と旧WuXiの統合
いまのMinarisは、2025年に2つの会社が一緒になってできました。1つは日立化成の細胞・遺伝子治療部門だったMinaris Regenerative Medicineです。もう1つは、WuXi AppTecの事業部門だったWuXi Advanced Therapiesです。米国の投資会社Altaris Capital Partnersが両社を買い取り、1つの会社にまとめました。
沿革を見ると、アレンデール、ミュンヘン、横浜は日立化成の系統の拠点です。フィラデルフィアのウイルスベクターと試験の事業は、WuXi Advanced Therapiesの系統にあたります。2021年にWuXi Advanced Therapiesが買収した英国のOXGENEは、いまもMinarisのプラスミド技術の名前として使われています。2026年9月には、旭化成グループのBionova Scientificと組み、AAV用9種とレンチウイルス用4種のプラスミドをそろえると発表しました。
承認・査察の実績
同社によると、これまでに9品目の商用製品の製造を支え、拠点はFDA、EMA、PMDAから商用製造の承認を受けています。規制当局の査察は20回を超え、FDA、EMA、PMDAのほか、オーストラリアのTGA、韓国のMFDSも含まれます。顧客やEUの有資格者(QP)による監査を、年に100回以上受けています。試験の一部はISO/IEC 17025の認定を受けています。
日本からの相談先
問い合わせは、公式サイトの窓口(Contact Us)で受けています。
細胞治療は、4拠点のどこで製造するかを選べます。同社は、拠点の間の技術移転や、2つの拠点で同じ製品をつくる体制づくりも受けると説明しています。ウイルスベクターから頼む場合は、フィラデルフィアでのGMP製造と、同じ場所での試験を組み合わせる形です。自社やほかのCDMOで製造している製品の試験だけを頼むこともできます。2026年10月のESGCT(ハンブルク)と11月のAdvanced Therapies USA(ボストン)でも、会場での面談を受け付けています。


