知っておきたいこと
中国・米国・欧州・シンガポールの拠点
WuXi Biologicsは、抗体などのバイオ医薬品の研究、開発、製造を受ける会社です。香港証券取引所に上場していて、2025年末の従業員は13,252人でした。中国では上海、無錫、蘇州、杭州などに拠点があります。中国の外では、米国のマサチューセッツ州・ニュージャージー州・ペンシルベニア州、アイルランドのダンドーク、ドイツのヴッパータール、シンガポールに拠点を持ちます。生産能力は、2026年までに合わせて580,000Lを超える見込みだと同社は説明しています。
研究・開発・製造の受託
研究では、抗体の探索、タンパク質の作製と改変、特性解析、in vitroの試験、毒性を含むin vivoの試験を受けます。CD3に結合するT細胞エンゲージャーの技術は、Vertex、Merck、GSKなどが採用したとしています。開発では、CHOとHEK293の細胞株づくりや微生物の株づくり、分析法の開発を扱います。2025年には156件の治験申請(IND)を支えました。
扱う分子は幅広く、二重特異性・多重特異性抗体、Fc融合タンパク質、酵素、ウイルス様粒子も並びます。ウイルスベクターを使うワクチンもつくります。2025年の新規案件のうち3分の2は二重特異性抗体とADCで、ADCの開発と製造は子会社のWuXi XDCが受け持ちます。
査察の実績と商用の製造
同社によると、2017〜2025年に主要国の規制当局から46件の査察を受け、うち22件はFDAとEMAでした。重大な指摘はなく、データの完全性に関わる指摘もなかったとしています。2025年末には第III相の案件が74件、商用の製造が25件ありました。2025年に終えたPPQ(工程の性能適格性評価)は28件で、2026年には34件を予定しています。
商用の供給を複数の地域に分ける方針も進めています。米国マサチューセッツ州ウースターでは、6,000Lの単回使用槽を6基備えるMFG11を建設中です。ニュージャージー州クランベリーのMFG18には、商用の製造の機能を加えています。
日本の認定を受けた無錫の工場
2021年、無錫の原薬工場MFG2は、2日間のリモートのGMP調査を経て、厚生労働省から製造の認定を受けました。同社にとって日本で初めての認定で、3人の調査官が品質の手順と製造の仕組み全体を確かめたとしています。2025年2月には、MFG2とMFG5がPMDAの実地のGMP調査に再び通りました。
同社の発表で、日本の調査を受けた工場として名前が挙がっているのは、無錫のMFG2とMFG5です。
日本からの相談先
2026年5月、同社は東京で3回目のCRDMO Dayを開き、日本の製薬会社の幹部や専門家と意見を交わしました。同じ時期には、第28回インターフェックスWeekにも出展しています。公式サイトには日本向けのページがあり、事業の問い合わせはメール(info@wuxibiologics.com)で受けています。日本の会社は、このメールに分子の種類と開発の段階を書いて相談を始めます。


