「ミックスモード」とは?
イオン交換基と疎水性基を同じリガンドに併せ持ち、複数の相互作用で分ける樹脂。
イオン交換基と疎水性基を同じリガンドに併せ持ち、複数の相互作用で分ける樹脂。
ミックスモードクロマトグラフィーは、一つのリガンドにイオン性と疎水性などの複数の相互作用を併せ持ち、単一モードでは分けにくい分子を分離できる樹脂です。凝集体と単量体のように電荷が近く、イオン交換だけでは分けきれない場面でとくに選択肢に挙がりますが、自由度が高い分だけ条件出しの難しさも伴います。
同じ疎水性を扱うHICと比べると、ミックスモードは疎水性に加えてイオン性をリガンド一体に持つ点が根本的な違いです。HICは高塩ロードが前提で硫安などを大量に使いますが、ミックスモードは塩をあまり使わずに直交性を得られる場面があり、廃液や脱塩の負荷を減らせることがあります。電荷と疎水性の両面から同時に差をつけられるため、凝集体と単量体のように電荷は近くても疎水性が異なるケースで分離の糸口になります。
抗体のポリッシングでよく採られる設計の一つが、陰イオン交換系のミックスモードをフロースルーで使い、凝集体・HCP・DNA・ウイルスをまとめて削ぐ方式です。もう一つは、陽イオン交換系のミックスモードをバインドエリュートで使う塩耐性キャプチャーの場面です。ポリッシングの設計全体としては、削りたい不純物から逆算して選択性と運転様式、負荷条件を合わせ込んでいく作業になります。
ミックスモードは複数の相互作用で保持するぶん、単一モードより脱着に手間がかかることがあります。溶出はpH変化、塩、またはその組み合わせで設計します。自由度が高い反面、条件出しが成否の要になる点は、設計に入る前に認識しておく必要があります。
この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。