用語集

TU」とは?

別名・英語表記:形質導入単位 / Transducing Unit

形質導入を起こせる粒子の数を表す機能力価の単位。TU/mLで表し、MOI計算の分母に使う。

TUは、ベクターが実際に細胞へ遺伝子を組み込める能力を数値化した機能力価の単位です。物理的な粒子数とは異なり「働ける粒子の数」を測るため、MOI計算の基準として用いられます。この区別を誤ると、有効な投与量を大きく見誤るリスクがあります。

物理力価との違いがなぜ重要か

ベクター製剤には、形質導入を起こせる粒子と起こせない粒子が混在しています。p24 ELISAや逆転写酵素活性で測る物理力価は総粒子数を反映しますが、TUはそのうち実際に細胞へ遺伝子を組み込めた粒子数だけを数えます。両者は2〜3桁ずれることがあるため、物理力価をそのままTUとして扱ってMOIを計算すると、有効な量を100〜1,000倍も水増しした設計になりかねません。MOIは必ず機能力価であるTU/mLで計算する必要があるのはこのためです。

TUの測り方の考え方

TUを求めるには、ベクターを段階希釈して細胞に加え、遺伝子が組み込まれた細胞の割合を測定します。その割合から、単位体積あたり何個の粒子が形質導入を起こせるかを算出します。得られた値はTU/mLで表され、たとえばMOI 5であれば、細胞1個あたり形質導入単位5個ぶんのベクターを加えたことを意味します。なお、qPCRによるインテグレーション定量やフローサイトメトリーによるマーカー発現の検出も、同じ機能力価を測る手法として位置づけられます。

施設間比較で注意すべき落とし穴

TUは機能単位であるがゆえに、測定に使う細胞の種類に値が左右されます。同じベクターであっても、使う細胞が変われば得られるTUが変わるため、施設間で細胞をそろえなければ値を比較することができません。また、「同じTU/mL」という表記だけを見て別々のロットや製品を並べても、中身が同じとは限らないという点も見落とせません。力価の数値を横断的に評価するときは、測定条件が統一されているかどうかを必ず確認することが求められます。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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