技術トピック
2026.09.05

IVT mRNAのdsRNA、改変ヌクレオチドだとELISAが過小評価

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Photo: Irene Demetri / Unsplash

試験管内転写(IVT)で作った mRNA の不純物である二本鎖RNA(dsRNA)⁠について、⁠プソイドウリジンや N1-メチルプソイドウリジンを含む dsRNA は、抗体を使うELISAで検出しきれないことを示したプレプリントが bioRxiv に公開された。感度の高いELISAでは検出が改善したものの、⁠依然として化学修飾の種類に依存したとされています。

抄録によれば、dsRNA はタンパク質の発現を下げ、サイトカインを誘導し、細胞の生存に影響し、実験結果を混乱させる「生物学的に活性な不純物」です。既知量の dsRNA を加える実験では、生存率・サイトカイン誘導・発現量への影響も修飾の種類によって変わり、低い量から現れたとされています。

測れないものは管理できない

mRNA医薬の製造で dsRNA が問題になるのは、自然免疫を刺激するためです。少量でもインターフェロン応答を引き起こし、目的タンパク質の発現をかえって下げます。

問題は、その定量が抗体(J2など)を使うELISAに依存してきたことです。今回の指摘が正しければ、次のことが起こりえます。

分析法バリデーションでいえば、特異性・選択性の問題です。抗体が何に結合するかで測定値が決まる以上、⁠測る対象の化学が変われば、抗体の見え方も変わるわけです。

除去する側の話

抄録は、改変した dsRNA 結合タンパク質による除去にも触れています。dsRNA を落とす手段としては、オリゴdTアフィニティ、セルロース吸着、逆相クロマトグラフィーなどが使われてきました。結合タンパク質を使う方式は、⁠dsRNA を直接つかまえるという点で選択性が高くなりえます。

ただし、タンパク質を使う以上、残存する酵素・タンパク質の定量が新たな管理項目になります。除去のために加えたものを、また除かなければなりません。

なお、これはプレプリントで査読を経ていません⁠。除去効率や適用範囲は抄録からは分かりません。

※ 本ページは公開情報(bioRxiv のプレプリント)をもとにしたProglenth編集部による整理です。プレプリントは査読を経ていません。手法・結果の詳細は一次情報をご確認ください。

学術・公的機関
biorxiv.org
出典を見る ↗

本記事は学術論文・公的機関の情報をもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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