細胞処理装置の Terumo BCT(テルモ ブラッド アンド セル テクノロジーズ) が、間葉系幹細胞(MSC) 治療を開発する台湾の Steminent Biotherapeutics と戦略提携を結んだと発表しました(2026年5月13日)。同社の閉鎖系の自動拡大培養装置 「Quantum Flex」 上で、後期開発から将来の商用生産までを見据えた、スケーラブルな製造ワークフローを構築する とメーカーは説明しています。これは新製品の発表ではなく、既存プラットフォームを実際の細胞治療に適用する協業です。
再生医療の難所=「手作業から自動化」を埋めにいく
MSCの製造は、ドナー差・ロット差が出やすく、手作業の比率が高いと品質がぶれやすい——この「手作業から閉鎖系・自動化への移行」が、再生医療の商用化を阻む大きな壁だとされてきました。今回はSteminentの後期候補 Stemchymal(脊髄小脳変性症などが対象、台湾・日本で条件付き承認の申請を計画)を題材に、バッチ間の一貫性と工程のロバスト性(揺らぎにくさ)を支えるワークフローをQuantum Flex上で開発するとしています(メーカー主張)。
日本・APACの再生医療エコシステムの一手
この提携は、Terumo BCTがアジア太平洋(APAC)の細胞・遺伝子治療開発を支える「APAC Ecosystem Blueprint」構想の一環に位置づけられています。自家・他家を問わず、CAR-TのようなT細胞治療だけでなく**MSC(再生医療)**でも、商用スケールの自動細胞培養をどこまで担えるか——日本市場と親和性の高い領域での具体例として注目されます。