細胞培養・継代
細胞の播種・継代・培地交換を無菌に保ち、汚染とコンタミを防ぐ。
- 無菌操作
- 継代
安全キャビネット(バイオセーフティキャビネット, BSC)は、HEPAろ過した気流で作業者・製品・環境を守るクラスII装置です。前面のインフローで作業者を、ダウンフローで検体を、排気側HEPAで環境を保護し、細胞・ウイルスベクター・無菌操作の要になります。気流の乱れが守りを崩すため、面風速・気流可視化・定期点検が運用の核になります。
安全キャビネットは、HEPAでろ過したダウンフロー(垂直層流)で作業面の検体を清浄に保ちつつ、前面開口からのインフロー(吸い込み気流)で作業者側への漏出を抑え、排気側のHEPAで室内環境への放出を防ぐ三方向の保護を同時に成立させます。クリーンベンチが製品保護だけを目的に作業者方向へ清浄空気を吹き出すのに対し、クラスII BSCは作業者・製品・環境の三者を守る点が決定的に異なり、感染性物質やウイルスベクターを扱う作業ではクリーンベンチではなく安全キャビネットを選ぶ必要があります。
選定軸はまずクラス(I/II/III)とクラスIIの型式(A1・A2・B1・B2)です。A2は排気の一部を室内またはキャニピーを介して排気する循環型で汎用性が高く、揮発性の有害物質や放射性物質を扱う場合は外部全排気のB2を検討します。インフロー面風速とダウンフロー風速のバランス、HEPA/ULPAの捕集効率、排気をキャニピー接続で室外へ出すか室内に戻すか、UV殺菌灯や除染(VHP等)への対応、設置スペースと前面開口高さ、作業者の人間工学が実務上の判断材料になります。
設計上の最大の弱点は気流の乱れです。前面開口での腕の出し入れ、人の通行、扉や空調の風、作業面に置く器材の配置が層流を崩し、保護性能を低下させます。このため面風速の常時表示・アラーム、定期的な気流可視化(スモークテスト)とHEPAリークテスト、作業面の整理(清浄側から汚染側への一方向作業)といった運用管理が、装置のスペックと同じくらい重要になります。
基本的には、起動して気流を安定させ、面風速とアラームを確認し、清浄から汚染へ一方向に作業を進め、終了後に清掃・除染と記録を行います。
安全キャビネットは、感染性物質や無菌性が要る作業を行う培養・調製・分注の工程で、作業者・製品・環境を守る作業域として使われます。
細胞の播種・継代・培地交換を無菌に保ち、汚染とコンタミを防ぐ。
レンチ・AAV等のベクター操作で作業者と環境を封じ込めつつ扱う。
試薬・培地・検体の無菌調製や分注を清浄な作業域で行う。
細胞治療の加工・処理を作業者保護と無菌性を両立して行う。
感染性検体の操作でエアロゾルを抑え、作業者と環境を守る。
安全キャビネットは、無菌操作や感染性物質を扱うほぼ全ての細胞・ウイルス系モダリティで使われます。