用語集

吸光係数」とは?

別名・英語表記:ε

物質が特定波長の光をどれだけ吸うかを表す係数。A280からタンパク質濃度を計算する際に分子ごとの値を用いる。

吸光係数(ε)は、ある物質が特定波長の光をどれだけ強く吸収するかを数値化した係数で、濃度と吸光度を結ぶ換算定数として機能します。分子ごとに固有の値を持つため、同じ吸光度を測っても使う係数が違えば算出される濃度が変わってしまい、精製工程の収率計算や最終製品の含量確認の精度に直結します。

モル吸光係数と何が違うか

吸光係数には「モル吸光係数(MEC、Molar Extinction Coefficient)」という呼び方もあり、単位によって意味合いが変わります。モル吸光係数は1モルあたりの吸収の強さを表し、たとえばチオール定量では約412 nmにおける値を使って、タンパク質1モルあたりの遊離チオール量をmol SH/mol proteinの単位で算出します。一方、製造現場でよく使われる質量濃度ベースの係数はmL/mg/cmの単位で表され、抗体ではアミノ酸配列から計算した値か実測で確定した値を用いることが要点とされています。どちらも「濃度と吸光度を結ぶ係数」という役割は同じですが、単位と適用場面を混同しないことが重要です。

吸光係数が「既知かどうか」で手法の選択が変わる

A280によるUV測定は簡便・迅速という利点がある一方、吸光係数が既知の分子でなければ正確な濃度換算ができません。抗体のように吸光係数がよく知られている分子ではUVが実用的ですが、280 nmでほとんど吸収しない糖鎖など非吸収成分を含む場合は過小評価が生じることが知られています。また分子量測定においても、屈折率検出とdn/dcの代わりにUVと吸光係数を組み合わせる場合、その吸光係数の妥当性が結果の信頼性を左右すると指摘されており、係数の確かさが分析全体の精度を規定します。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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