「膜侵襲複合体」とは?
別名・英語表記:MAC
補体カスケードの終盤にC5b〜C9で形成され、標的細胞膜に孔を開けて破壊する複合体。
別名・英語表記:MAC
補体カスケードの終盤にC5b〜C9で形成され、標的細胞膜に孔を開けて破壊する複合体。
膜侵襲複合体(MAC)は、補体カスケードの終盤にC5b〜C9が集合して形成され、標的細胞膜に孔を開けて細胞を破壊する複合体です。バイオ医薬品の品質管理分野では「最大許容持ち越し量(MAC)」という全く別の意味でも同じ略語が使われるため、文脈による区別が必要になります。
補体系はC1qを起点とするカスケードであり、C4・C2・C3が順に活性化していきます。MACはその終盤に当たる段階で形成されます。具体的にはC5b・C6・C7・C8・C9という複数の補体タンパク質が集合してひとつの複合体を構成し、標的細胞の膜に物理的な孔を開けることで細胞を破壊します。この一連の働きは補体依存性細胞傷害(CDC)と呼ばれ、C1qを起点にカスケードが進んだ先の「実行段階」をMACが担っています。
製造・品質分野では「MAC(Maximum Allowable Carryover=最大許容持ち越し量)」という全く別の意味でこの略語が使われています。こちらは、前の製品が次の製品ロットに混ざってよい総量の上限を指し、毒性データにもとづく健康ベース曝露限度(PDE/ADE)を起点として算出される値です。生物学・免疫学の文脈であれば膜侵襲複合体、製造・洗浄バリデーションや残留限度値の文脈であれば最大許容持ち越し量、というように、同じMACでも分野によって指すものがまったく異なるため、読む際には文脈の確認が不可欠です。
この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。