用語集

Papp」とは?

別名・英語表記:見かけの透過係数 / apparent permeability coefficient

レシーバー側へ移る速さを面積と初濃度で割った、見かけの透過係数。腸吸収の見込みを表す。

Pappは「単位面積・単位濃度あたりに、単層をどれだけの速さで透過するか」を一つの数字にまとめた指標で、cm/秒で表されます。試験管内で腸吸収の見込みを定量的に評価できる一方、efflux ratioなど周辺の情報と組み合わせて初めて外れ値の原因を読み解けるため、単独の数値で判断を完結させないことが重要です。

式の構造から読み取れること

Pappはレシーバー側に現れる化合物量の増え方(dQ/dt)を、単層の面積(A)と初濃度(C0)で割ることで求めます。すなわちPapp=(dQ÷dt)÷(A×C0)です。面積と濃度で割り算することで、実験スケールや仕込み量の違いを吸収し、異なる条件の測定結果を横並びで比べられる数字にしています。参照物質のPappと比較して高低を読むのが基本的な使い方です。

A→B方向だけで判断しない理由

Caco-2などの単層を使った実験では、腸管腔側(A)からレシーバー側(B)への方向だけでなく、逆方向(B→A)も測定し、efflux ratio=Papp(B→A)÷Papp(A→B)として評価します。この比が大きいほど、能動的な排出輸送が働いている可能性が示唆されます。A→B方向のPappだけを見ると、排出輸送によって吸収が抑えられているケースを見落としかねません。

フリー分率・代謝情報との組み合わせ

Pappは腸吸収の見込みを表す指標ですが、タンパク結合補正で得たフリー分率の解釈や、どの酵素が代謝を担うかという反応フェノタイピングの情報と組み合わせると、外れ値の原因をより切り分けやすくなります。Papp単体ではわからなかった「吸収が低い理由が透過性にあるのか、それとも代謝や結合にあるのか」を整理する手がかりになります。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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