用語集

膜透過性」とは?

別名・英語表記:Papp

化合物が細胞膜を透過する速さの指標。経口薬の吸収性の評価に使われる。

膜透過性(Papp)は、化合物が細胞膜をどれだけ速く通り抜けられるかを数値化した指標で、経口薬の腸壁通過しやすさを試験管内で見積もるために使われます。溶解度と並ぶ吸収の二大要因として、製剤設計や候補化合物の選別に直結するため、開発の早い段階から測定されます。

Pappの計算式と値の読み方

Pappは「dQ ÷ dt」(単位時間あたりの透過量)を「A × C0」(膜面積と初期濃度の積)で割った値として定義されます。この式は、膜の向こう側にどれだけ速く化合物が届くかを面積と濃度で正規化したものです。評価系としてはCaco-2細胞を使った透過性試験が代表的で、腸からの取り込み(Fa)の試験管内代替として位置づけられています。低分子化合物では、脂溶性や分子量といった物性がこの値をおおむね決めます。

efflux ratioで能動排出を見抜く

Pappは方向によって値が異なる場合があります。腸管側から血液側への透過(A→B方向)だけでなく、逆向き(B→A方向)も測定し、「Papp(B→A)÷ Papp(A→B)」をefflux ratioとして算出します。この比が大きい場合、化合物が能動的に排出されている可能性を示しており、単純な物性だけでは説明できない吸収の悪さを読み解く手がかりになります。

溶解度・代謝情報との組み合わせ

吸収は溶解度と膜透過性の両方から消化管モデルで表現され、BCS分類はこの2軸で原薬を4クラスに割り振る枠組みです。Pappの値を単独で見るだけでなく、タンパク結合のフリー分率や、どの酵素が代謝を担うかという反応フェノタイピングの情報と組み合わせることで、インビトロ―インビボの外れ値が溶解度・透過性・代謝のどこに起因するかを切り分けやすくなります。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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