用語集

脂溶性」とは?

別名・英語表記:親油性

分子が脂に溶けやすい性質。高いほど細胞膜を通り組織へ分配されやすく、分布容積が大きくなりやすい。

脂溶性(親油性)とは、分子が脂に溶けやすい性質のことです。高いほど細胞膜を通りやすく、脂肪組織などへの分配が進むため分布容積が大きくなりやすい一方で、尿や胆汁に溶け出しにくくなるという排泄上の問題も生じます。

分布・排泄のどちらにも効いてくる性質

脂溶性が高い薬は細胞膜を通りやすいため、脂肪組織など末梢の組織へ広く分配され、分布容積が大きくなる傾向があります。その一方で、尿にも胆汁にも溶け出しにくくなるため、そのままでは体外へ出ていくことができません。吸収の場面でも影響があり、食後の胆汁分泌が溶解を助けることで吸収率(Fa)が上がり、曝露量が増えることがあります。このように脂溶性は、吸収・分布・排泄という複数の過程に同時に関わる物性です。

分布容積だけで脂溶性の大小を語れない理由

分布容積は脂溶性だけで決まるわけではなく、血漿タンパク結合という引力と組織結合という引力のバランスを映した数字です。そのため、脂溶性だけを見て分布容積の大小を語ることはできません。脂溶性のほかにも、イオン化の度合いや組織への結合力が組織移行を左右するため、これらを総合的に考える必要があります。

創薬指標における脂溶性の扱われ方

創薬の場面では、脂溶性を高めすぎることによる問題を補正するために複数の指標が用いられます。LLE(脂溶性効率)は、活性の指標であるpIC50からlogPを差し引くことで、脂溶性に頼らない本来の結合効率を見る指標です。CNS MPOでは、脂溶性(LogPとLogD)を含む6つの物性をそれぞれ望ましい範囲で点数化し、合計で薬の質を評価します。また、透過性が低い場合に脂溶性や水素結合の数を設計段階で調整して膜透過を改善する、という考え方も用いられます。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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