知っておきたいこと
工場ごとの分担
抗体の大型生産は、米国ノースカロライナ州のホリースプリングスと、デンマークのヒレレズ(Hillerød)が受け持ちます。ホリースプリングスは2025年9月に20,000L槽8基で開所し、同じ敷地に製剤のラインも設ける計画です。ヒレレズは2024年に槽を6基から12基へ増やし、同社は増設が終わると20基になるとしています。
英国のビリンガムは、プロセス開発と、微生物でつくるタンパク質の拠点です。テキサス州カレッジステーションは遺伝子治療とワクチンを受け、英国のウィルトンとダーリントンにはウイルスベクターの工場があります。細胞治療はカリフォルニア州サウザンドオークスです。ノースカロライナ州のリサーチトライアングルパークには、培養から精製、原薬の充填までを行う多品目の工場があります。
設計をそろえた工場(kojoX)
同社は、工場の設計、設備、手順、品質の仕組みをそろえる方針をkojoXと呼んでいます。日本語の「こうじょう」が「工場」と「向上」の両方を指すことから付けた名前です。ホリースプリングスは、デンマークの最初の増設と同じ設計図で建てました。
設計がそろっているため、承認済みの原薬の工程を、ネットワーク内の同等のラインへ移せると同社は説明しています。同社は、これで技術移転を速くでき、製造地を分けて供給を安定させられるとしています。原材料は95%を米国・欧州・日本から調達しています。
FDAの事前確認の試行
2026年7月、ホリースプリングス工場は、FDAのPreCheck試行プログラムに選ばれた7施設のひとつになりました。製造の準備状況をFDAと早めにすり合わせ、査察を早めることをねらった仕組みです。同社は、この工場でargenx、Johnson & Johnson、Regeneronなどの抗体をつくっていると公表しています。
同じ発表で、20,000L槽8基を足す増設を6か月前倒しし、2027年度の終わりに動かすとしました。製剤のラインは2027年の初めに加わる予定です。
日本の窓口と富山
日本には、2023年6月に東京・六本木で営業と顧客サポートの窓口を開きました。日本と近隣のアジアの顧客を担当し、各国の工場とつないでいます。同社の会社案内では、製造拠点は米国と欧州です。
ただし、2028年までのkojoXの投資計画には、富山(日本)も挙がっています。また富士フイルムは2026年10月、グループの富士フイルム富山化学の工場が2027年に動き出し、ADCの抗体製造から結合、無菌充填までを担うと発表しました。
日本からの相談先
問い合わせは、公式サイトのフォームで受けています。東京の窓口は港区六本木7-12-2のR7ビルにあり、電話番号(03-6871-7736)も公式サイトに載っています。
米国マサチューセッツ州ケンブリッジのケンドールスクエアには、C3という拠点もあります。工場ではなく、顧客との打ち合わせや勉強会に使う事務所です。


