用語集

分子量カットオフ」とは?

別名・英語表記:MWCO / 分子量カットオフ(MWCO)

膜が約90%保持できる溶質の分子量の目安。目的分子の1/3〜1/6程度を選ぶのが定石とされる。

分子量カットオフ(MWCO)は、限外ろ過膜が「その分子量の溶質を約90%保持する」目安の値であり、シャープな閾値ではない点が重要です。実際の膜選定では、この曖昧さを考慮して目的分子の分子量よりも十分に小さい値を選ぶ必要があり、選択を誤ると回収率の低下に直結します。

「約90%保持」という定義が示す曖昧さ

MWCOは「その分子量の溶質を約90%保持する」目安であり、シャープな閾値ではありません。つまり、MWCOぴったりの分子量を持つ溶質であっても、一定の割合が膜を透過してしまう可能性があります。この性質から、目的分子を確実に保持するためには、MWCOを目的分子の分子量のおよそ1/3〜1/6を目安に選ぶのが定石とされています。約150 kDaの抗体であれば30 kDaが定番とされるのも、この考え方に基づいています。

回収率を左右する膜材質との関係

MWCOは孔の大きさを表しますが、回収率は「吸着」によっても左右されます。そのため、膜を選ぶ際はMWCOの数値だけでなく、膜材質もあわせて検討する必要があります。高濃度のUF/DF工程では、膜や装置の選定が成否を左右するとされており、材質とMWCOはその選定における最初の軸として位置づけられています。

TFF運転設計における役割

限外ろ過膜はMWCO(単位:kDa)で性能を表し、目的タンパク質を保持しつつ水・塩・低分子だけを透過させます。TFFシステムの運転はMWCO・膜間差圧(TMP)・クロスフロー流速のバランスで成り立っており、MWCOはその設計の起点となるパラメータです。UFが「量を整える」操作、DFが「中身を入れ替える」操作と役割が異なるなかでも、MWCOはどちらの工程にも共通する設計の軸として機能します。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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