用語集

単核球」とは?

リンパ球などを含む血液中の細胞画分。アフェレーシスで採取しT細胞分離の出発材料になる。

単核球とは、血液中でリンパ球や単球を含む細胞画分のことで、アフェレーシスによって採取されるCAR-TやTILなど細胞治療製品の出発原料です。この画分の量と組成は患者の状態によって大きく振れるため、製造品質の安定化において最初の関門になります。

どの細胞が含まれ、何と対比されるか

単核球の層はリンパ球と単球から成り、赤血球や顆粒球とは密度が異なります。遠心をかけると、もっとも重い赤血球が外側に、次いで顆粒球、その内側に単核球、さらに血小板・血漿という順で並びます。アフェレーシスはこの密度差を利用して単核球層——いわゆるバフィーコート近傍——を選択的に集める工程です。ただし末梢血には、αβT細胞・NK細胞・単球などが多く含まれており、目的のT細胞やγδT細胞はその一部にすぎないため、採取後にさらなる分離・拡大が必要になります。

純度と収量がトレードオフになる理由

密度による分離は完全ではなく、顆粒球と単核球、あるいは単球とリンパ球は密度域が重なる部分があります。界面の設定をどこに置くかで、採れる細胞数(収集効率)と純度がトレードオフの関係に立ちます。さらに血液がんでは、末梢血中を循環する腫瘍細胞(芽球など)が単核球分画に混入し、目的細胞の相対的な純度を下げます。アフェレーシスは「密度が近い細胞ほど混ざりやすい」物理原理の上に成り立っているため、狙った単核球をどれだけ純度高く必要数だけ集められるかが、そのまま出発材料の質を決めます。

患者状態が出発材料の質を左右する

単核球の量と組成は、患者の前治療・リンパ球数・年齢・疾患によって大きく振れます。この採取工程が製造工程全体の出発点になるため、ここでのばらつきがそのまま後続の分離・培養・品質試験に波及します。TIL製造では放射線照射で増殖能を止めた同種末梢血単核球(PBMC)がフィーダー細胞として使われるなど、単核球は目的細胞の供給源としてだけでなく、製造工程の中で複数の役割を担う場合もあります。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

単核球」が登場する解説記事

関連用語