用語集

熱シフトアッセイ(示差走査蛍光法、DSF)」とは?

別名・英語表記:DSF

結合でタンパク質の融解温度が変わることを利用した、簡便な一次スクリーニング。

熱シフトアッセイ(DSF)は、昇温にともなってタンパク質の折りたたみがほどける際の蛍光変化を捉え、結合による融解温度(Tm)のシフトから相互作用を推定する手法です。多検体を手軽にふるいにかけられる反面、測っている物理量が熱量ではなく蛍光であるため、数値の解釈や他手法との使い分けに注意が必要です。

何を測っているか:熱量測定との違い

DSFは昇温にともなってタンパク質の疎水性部分が露出するのを、蛍光プローブの変化として間接的に検出します。一方、DSC(示差走査熱量測定)は分子がほどけるときの熱の出入りそのものを測ります。測っている物理量が根本的に異なるため、DSFで得たTmとDSCで得たTmは近い値になることも多いものの、装置や検出方式をまたいで数値をそのまま比べないのが安全です。抗体のように複数のドメインを持つ分子では、DSCで複数のピークとして現れる情報が、DSFでは必ずしも同じかたちで見えないことも念頭に置く必要があります。

どの開発ステージで使うか

大まかな使い分けとしては、多数の候補や処方をふるいにかける段階ではDSFが向き、絞り込んだ後で熱量を含めた詳細な熱プロファイルを押さえたいときにDSCが向きます。製剤スクリーニングや比較性評価がDSFの主な出番であり、緩衝剤の種類や濃度などの処方条件をDoEと組み合わせて検討する場面でも活用されます。なお、熱安定性(Tm)と実際の保存安定性は別の軸として扱うことが前提であり、DSFのスコアが高いからといって保存時の安定性を直接保証するわけではありません。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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