AbbVie が出資するバイオテック ADARx が、次世代の siRNA 医薬の臨床試験を進める資金を集めるため、株式公開(IPO)を計画している。FierceBiotech によれば、複数の臨床段階のプログラムを抱えており、その資金を賄うためとされています。
siRNAが「量産できる医薬品」になった経緯
siRNA 医薬は、標的とするmRNAを分解させて発現を下げる仕組みです。抗体のように細胞で作るのではなく、化学合成で作れる点が製造上の特徴になります。
代わりに、化学合成に固有の管理が要ります。1塩基足りない配列や余分な配列といった不純物のプロファイル、そして化学修飾の位置と種類です。修飾は、体内での安定性と、免疫を刺激しにくさを決めます。
送達が用途を決める
siRNA が実用化した最大の理由は、肝臓への送達が解けたことにあります。GalNAcという糖を付けると、肝細胞の受容体に取り込まれます。皮下注で肝臓に届き、効果が数か月続く製品が実際に承認されています。
したがって、この分野の次の焦点は肝臓の外です。中枢神経、腎臓、筋肉、免疫細胞——どこに届けられるかで、対象になる疾患が決まります。抗体とオリゴを結合させる方式も、この文脈で出てきたものです。
送達先が広がると、製造の側も変わります。コンジュゲートを作る工程が加わり、部位特異的な結合の管理が必要になります。「化学合成だけで済む」段階から、少しずつ複雑な方向へ動いているのが現状です。
なお、公開の時期や規模は報道からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(FierceBiotech の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。計画の詳細は一次情報および同社の公式発表をご確認ください。