Fresenius の米ユタ州の製造拠点が、FDAから警告書(Warning Letter)を受けた。FiercePharma によれば、顧客からの苦情が続いたこと、Form 483 の指摘、そしてこの春の回収を経ての措置で、顧客からの苦情の傾向(complaint trend)が指摘されている。
483と警告書の違い
FDAの査察で観察事項があると、まず Form 483 が交付されます。これは査察官が見たことの記録で、法的な結論ではありません。企業は回答し、是正の計画を示します。
その回答が不十分だと判断されたり、問題が重いと判断されたりすると、警告書が出ます。こちらは公表され、期限を切った是正が求められます。承認申請中の製品があれば承認前査察にも響き、輸入警告に進むこともあります。査察の分類でいうOAIに相当する状況です。
苦情の「傾向」を見るということ
今回のように苦情が指摘の中心にある場合、問われているのは1件ずつの処理ではなく、まとめて見たときに何が起きているかです。
苦情は、逸脱・OOS・CAPAと同じ枠組みで扱われます。1件ずつなら、調査して回答して閉じれば手続きは終わります。ただし、同じ種類の苦情が続いているなら、それは工程側に原因があるという信号です。
これを拾うのが傾向分析で、年次品質照査や継続的工程確認、逸脱の傾向監視がその役割を担います。個別の処理は回っているのに傾向を見ていない、という状態は珍しくありません。手続きの記録は残っているのに、そこから何も読み取っていないという形で現れます。
苦情から回収に至った経緯があるなら、事後には「もっと早く気づけたはずの信号が、どこかにあったのではないか」が問われます。同社は過去にも製品の回収を行っており、グラス片の混入や表示の誤りの事例が報じられています。
なお、対象となった製品や具体的な指摘内容は報道からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(FiercePharma の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。指摘の範囲・対象・今後の対応は一次情報およびFDA・同社の公式発表をご確認ください。