染色せずに、免疫細胞が今どういう代謝の状態にあるかを見る手法が示された。GEN によれば、光学代謝イメージング(OMI)を使って患者の末梢血中の免疫細胞の代謝活性を調べたもので、診断だけでなく細胞治療の製造にも役立ちうるとされる。News-Medical は同じ成果を「非破壊で免疫細胞の状態を追う手法」と伝えている。
測るほど製品が減る、という制約
細胞治療の工程で使う測定の多くは、細胞を使い切ってしまいます。細胞数と生存率は染色して数え、フローサイトメトリーは標識して流し、代謝アッセイは細胞を溶かします。測った細胞は製品になりません。
自家細胞治療のように出発材料が限られる場面では、これが実際の制約になります。壊さずに状態が読めれば、その制約が緩みます。自動化された細胞計数やライブセルイメージングが工程に入ってきたのも、同じ理由です。
見ているのは細胞そのものの光
OMI が見るのは、細胞のなかにある NAD(P)H と FAD という補酵素が自分で出す蛍光です。これらは代謝に関わる分子で、細胞が解糖系寄りか、酸化的リン酸化寄りかで蛍光の性質が変わります。染色が要らないのはこのためです。
免疫細胞では、この代謝の状態が働きと結びついています。活性化したT細胞は解糖系に寄り、記憶型に近い細胞は酸化的リン酸化に寄る、といった具合です。T細胞の活性化と拡大培養では、この違いが投与後の持続性に関わるとされてきました。表面マーカーで型を分けるのとは別の軸で、細胞の「いまの調子」を見ていることになります。
使い道としては、培養を日数ではなく状態で切る、出発材料を層別する、といったあたりが考えられます。ただし規格に使うなら、装置の光学系や培地の自家蛍光に影響されないことを示す必要があり、頑健性と分析法移管が関門になります。現実的には、まず工程開発で使って、そこで見つかった関係を工程内管理で回せる簡単な指標に翻訳する、という順序でしょう。
なお、対象とした細胞種や検証の範囲は報道からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(GEN・News-Medical の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。手法・結果・適用範囲の詳細は一次情報および原著論文をご確認ください。