島津製作所が、トリプル四重極型のガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS/MS)「GCMS-TQ RX」シリーズを出した。Manufacturing Chemist によれば、日常的な分析を回すラボに向けて、分析性能と運用の柔軟性を両立させたとしています。
トリプル四重極が使われる場面
質量分析計にはいくつかの型がありますが、トリプル四重極は決まった化合物を、決まった条件で、正確に定量する用途に向きます。1つ目の四重極で目的のイオンだけを選び、途中で壊し、3つ目で壊れた破片のうち特定のものだけを見る。この2段階の絞り込みで、夾雑物の多い試料からでも目的成分を拾えます。
医薬品の分野でGC-MS/MSが使われるのは、主に次のあたりです。
- 残留溶媒:ICH Q3C で許容量が決まっている有機溶媒の定量
- ニトロソアミンなどの変異原性不純物:極めて低い濃度で管理が要る対象
- 抽出物・浸出物:包装材や単回使用部材から出てくる揮発性の成分
いずれも「あるかないか」ではなく「どれだけあるか」を、低い濃度で言う必要のある測定です。
日常分析の装置に求められること
研究用途と違い、毎日同じ試験を回すラボでは、装置に求められるものが変わります。
- 立ち上げの速さ:メンテナンス後に、規格を満たす状態へ戻るまでの時間
- システム適合性:測定のたびに装置の状態を確認する仕組み
- 分析法の移管:他の拠点・他の号機で同じ結果が出ること
- データの完全性:記録が改変されないこと、監査証跡が残ること
分析装置の入れ替えは、装置を買って終わりではなく設備適格性評価と分析法の移管がセットになります。日常分析向けを掲げる製品では、ここにかかる時間が実質的な選定の材料になります。
なお、仕様や発売時期の詳細は報道からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(Manufacturing Chemist の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。製品仕様・提供条件の詳細は一次情報および同社の公式発表をご確認ください。