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2026.09.03•Thermo Fisher Scientific

Thermo Fisher、吸光専用プレートリーダー「Multiskan Ease」を発売

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Photo: Immo Wegmann / Unsplash

Thermo Fisher Scientific が、吸光度だけを測るマイクロプレートリーダー Multiskan Ease を発売しました。業界誌 Manufacturing Chemist が報じています。国内では、サーモフィッシャーサイエンティフィックが2026年8月3日に販売を始めました。同社はこの機種を、生産を終えた Multiskan FC からの乗り換え先に位置づけています。報道によると、研究機関、バイオ・製薬企業、品質管理(QC)の試験室に向けて、一般的な生物学的アッセイのデータを簡単な操作で取れることを打ち出しています。

マイクロプレートは、96個などの小さな穴(ウェル)が並んだ樹脂の板です。プレートリーダーはそのウェルに順に光を当て、プレート1枚分の結果をまとめて読み取ります。吸光型の機種が測るのは、試料が光をどれだけ吸ったか(吸光度)です。

吸光専用機とマルチモード機の違い

プレートリーダーには、吸光・蛍光・発光をまとめて測れるマルチモード機と、吸光だけを測る専用機があります。Thermo Fisher も、マルチモードの Varioskan シリーズと吸光専用の Multiskan シリーズを分けて出しています。Ease は後者の新機種で、光源は FC のハロゲンランプから LED に替わりました。マルチモード機は1台で多くの測定法をこなせる反面、価格が上がり、設定の項目も増えます。測るものが吸光で足りる試験室なら、専用機のほうが導入も操作の教育も軽く済みます。

吸光で測れるものは、思った以上に幅広くあります。タンパク質の定量、抗体医薬の不純物である宿主細胞タンパク質(HCP)を測るELISA(抗体で目的のタンパク質を捕まえ、色の濃さで量を読む方法)、細胞の増殖や毒性を色の変化で見る試験などです。ELISAなら、発色を止めたプレートを入れるだけで96ウェル分の値がまとめて出ます。メーカーによると、Ease は96ウェル1枚を10秒以下で読み取ります。キュベット(四角いセル)に1検体ずつ入れて測る分光光度計に比べると、検体の多い試験ほど手間の差が開きます。

初めてプレートに切り替える人がつまずきやすい点も2つあります。1つは、光がウェルの液を縦に通るため、光の通る距離が液量で変わることです。キュベットで測った吸光度とそのまま比べると、値が合わずに戸惑います。もう1つはプレートの素材で、普通のポリスチレン製は、核酸やタンパク質を直接測る紫外の光をほとんど通しません。紫外で測るなら、紫外を通す専用のプレートが要ります。

ただ、Ease はそもそも紫外の光を使いません。メーカーの製品ページによると、測れる波長は400〜760 nmで、ほぼ目に見える光の範囲に収まります。波長はフィルターで決まり、標準で405・450・620 nmの3枚が入っていて、最大8枚まで載せられます。核酸やタンパク質を260 nmや280 nmで直接測りたいなら、紫外に対応したリーダーか分光光度計が要ります。操作がどれほど簡単かは、デモで実際の画面と手順を見て判断するのが確実です。

QCの試験室に入れる前に確かめたいこと

QCで使う装置には、測れるかどうかに加えて、その数字がどう作られ、どう残ったかが問われます。

2017年1月、佐藤薬品工業(奈良県)はFDA(米国食品医薬品局)から警告書を受けました。品質試験に使っていた紫外可視分光光度計で電子データを保存しておらず、監査証跡(誰がいつ何を操作したかの自動記録)もなかったことが指摘の一つでした。プレートリーダーではなく分光光度計の例ですが、吸光度を測る単体の装置でも、査察では電子データと監査証跡の扱いまで見られます。

Ease をQCで使うなら、導入前にカタログやデモで確かめたいことが3つあります。1つ目は、測った生データが残り、後から書き換えられない設計かどうか(データインテグリティ)です。2つ目は、ユーザーごとにログインでき、操作の監査証跡が自動で残るかです。3つ目は、据付・運転・性能の確認(設備適格性評価、IQ/OQ/PQ)に使う手順書や点検用の器具を、メーカーが用意しているかです。Multiskan FC を適格性評価済みのままQCで使っている試験室なら、入れ替えの時期と、Ease での評価のやり直しも計画に入ります。

見落としやすいのは装置の外側です。装置の記録が整っていても、結果を表計算ソフトに書き出し、誰でも直せるシートで計算し直していれば、記録はそこで途切れます。

研究用途なら、操作の手軽さはそのまま利点です。QCでは、手軽な操作の裏で記録がどう守られているかが、導入できるかどうかを分けます。

操作が簡単なことと記録が残ることは別の性能で、QCに入れるなら後者を先に確かめる必要があります。

※ 本ページは公開情報(Manufacturing Chemist の報道、同社の国内向け発表と製品ページ)をもとにしたProglenth編集部による整理です。製品仕様・提供条件の詳細は一次情報および同社の公式発表をご確認ください。

業界メディア報道
manufacturingchemist.com
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本記事は業界メディア等の報道をもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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