知っておきたいこと
治験用の抗体原薬を「1kg・11か月・決まった値段」で
AGCは2023年に「AGCellerate」というプランを始めました。抗体の治験に使える原薬1kgを、11か月で、最初に決めた値段でつくるものです。決まった手順に沿って進めるので、途中で費用や期間が膨らみにくい形です。
使う細胞は、AGCのCHEF1という細胞株です。同社の発表では、これまでに55以上の分子の製造に使われ、5つの品目が市場に出ています。値段は公開されていないので、見積もりで確かめます。
岡山大学の例:細胞はシアトル、製造は千葉
2025年7月、岡山大学がAGCと契約を結びました。薬をつくる細胞は、米国シアトルでCHEF1を使って用意します。2026年からは千葉の工場に移し、治験に向けた製造方法を固めます。
日本の大学が、海外の細胞株の技術と国内の工場をまとめて使う形です。AGCは千葉の工場を、日本と近隣の国の顧客に向けた哺乳類細胞の拠点と位置づけています。
横浜工場は、動き出す前に半分が埋まった
横浜の新工場は、2027年にGMP製造を始める予定です。5,000Lと2,000Lの単回使用培養槽をそろえ、mRNAは50gまでつくれる設計です。細胞治療の開発は、近くのAGC横浜テクニカルセンターですでに受けています。
2026年7月には、名前を明かさない海外の製薬会社が、横浜の哺乳類細胞の製造枠の半分を押さえる契約を結びました。5品目を年35バッチ以上つくる内容です。
中くらいの規模に絞る方針
2025年9月、AGCは米国コロラド州にある大型の哺乳類細胞の工場2つについて、売却の手続きを始めたと報道機関に説明しました。今後は、中くらいの規模の哺乳類細胞、微生物、細胞治療と遺伝子治療に力を入れるとしています。シアトル、コペンハーゲン、千葉での製造は続けます。
拠点ごとの承認実績
公式サイトの拠点一覧には、各拠点が承認を受けた規制当局が載っています。コペンハーゲンはFDA、EMA、カナダ保健省、PMDA、ブラジルのANVISAの5つです。シアトルはFDAとANVISA、それにPMDAの外国製造業者認定、ハイデルベルクはEMAとFDA、それにPMDAの外国製造業者認定が並びます。ミラノはEMA、台湾のTFDA、FDAで、千葉はPMDAと韓国のMFDSです。
日本からの相談先
問い合わせは、公式サイトの窓口(contactus@agcbio.com)で受けています。千葉の工場のページには、東京の電話番号も載っています。BioJapanなどの展示会にも出ているので、会場で担当者と話すこともできます。

