Standard Process Map細胞治療

iPS細胞製造 基準工程マップ

この基準工程マップは、iPS細胞の初期化・樹立 → 拡大培養 → 分化 → 品質特性解析を工程順に整理しています。最適な手法は初期化法・培地・分化系や未分化細胞の残存管理で変わるため、各工程に代替・補完法も併記しています。

19工程5フェーズ

製法の条件で切り替える

◇の付いた3工程は、この条件で基準法が変わります。

全体像

工程名を押すと、その工程の説明へ移ります。工程を押すと、その場で詳しい説明が開きます。◇は条件で基準法が変わる工程です。

  1. 採取・初期化1工程
    1. 01リプログラミング(条件で分岐)
  2. 樹立・拡大・バンク化3工程
    1. 02セルバンク化/MCB・WCB(条件で分岐)
    2. 03本培養・スケールアップ
    3. 04ハーベスト・濃縮
  3. 分化誘導2工程
    1. 05目的細胞への指向性分化誘導
    2. 06単一細胞化・解離
  4. 精製3工程
    1. 07細胞選別・精製
    2. 08洗浄・濃縮/製剤化
    3. 09充填・凍結保存
  5. 品質特性・分析10工程
    1. 10STR鑑定
    2. 11多能性マーカー・フロー
    3. 12三胚葉分化能・Scorecard
    4. 13ゲノム安定性・核型の評価
    5. 14ベクタークリアランス確認(条件で分岐)
    6. 15残存未分化細胞・ddPCR
    7. 16無菌・マイコ・エンドトキシン
    8. 17エンドトキシン(細菌内毒素)試験
    9. 18マイコプラズマ否定試験
    10. 19純度・力価/生存率

製法の条件で切り替える

◇の付いた3工程は、この条件で基準法が変わります。

採取・初期化(1工程)

工程1:リプログラミング

◇ 分岐

ゲノムに傷を残さない初期化法の選択が後工程全体の安全性を左右する。

基準法非組込み型Sendaiウイルスベクターによるリプログラミング

合成mRNA(フットプリントフリー)では

カチオン性脂質(例:Lipofectamine RNAiMAX等)を用いた合成mRNAの連日反復リポフェクション(数日〜2週間超)

樹立・拡大・バンク化(3工程)

工程2:セルバンク化/MCB・WCB

◇ 分岐

良質クローンを選び全ロットの源となるバンクを規定・ゼノフリーで恒常化する。

基準法フィーダーフリー・ゼノフリー2D接着培養での拡大とMCB/WCB二段バンク化

合成mRNA(フットプリントフリー)では

mRNAではベクター除去目的の延長継代・温度シフト工程が不要となり、トランスジーンフリー確認に律速されずにMCB/WCBへ進める

工程4:ハーベスト・濃縮

バイオリアクタ拡大後、分化に渡す前に培地・残渣を除き濃縮する必須中間工程

基準法閉鎖系・シングルユースカウンターフロー(向流)遠心によるiPSC凝集体の洗浄・濃縮・バッファ交換

分化誘導(2工程)

精製(3工程)

工程7:細胞選別・精製

残存未分化細胞や副産物の腫瘍化・不純物リスクを除き目的細胞を高純度化する。

基準法磁気活性化細胞選別(MACS)による陽性/陰性選択での目的細胞濃縮

工程8:洗浄・濃縮/製剤化

磁気選別後に残存試薬を除き目標密度へ濃縮、凍結保護液へ置換する必須製剤化工程

基準法閉鎖系カウンターフロー遠心による洗浄・濃縮・凍結保護液へのバッファ交換

品質特性・分析(10工程)

工程11:多能性マーカー・フロー

バンクが未分化で高品質な多能性状態にあることを陽性率で数値化しロット判定する。

基準法多色フローサイトメトリーによる多能性マーカー(SSEA-4、TRA-1-60)陽性率の定量

工程12:三胚葉分化能・Scorecard

三胚葉分化能で多能性を機能的に証明しテラトーマ試験を定量法で置換する。

基準法TaqMan hPSC Scorecardアッセイ

工程13:ゲノム安定性・核型の評価

培養で蓄積する染色体異常を全ゲノム概観で監視し腫瘍化・機能異常を防ぐ。

基準法Gバンド分染核型解析(メタフェーズ核型)による染色体異常スクリーニング

工程14:ベクタークリアランス確認

◇ 分岐

初期化に使ったSendaiや導入因子の残存を高感度に否定し安全性を確認する。

基準法RT-qPCRによる残存Sendaiウイルスゲノム/導入トランスジーンの検出(陰性確認)

合成mRNA(フットプリントフリー)では

mRNAでは導入RNAが18〜24時間で分解されゲノム残存もないため、残存ベクターのRT-qPCR陰性確認は原理上不要(代わりにフットプリントフリー性の文書化・必要に応じ初期の残…

工程15:残存未分化細胞・ddPCR

分化製品に残る未分化iPSCの移植後腫瘍化を極微量レベルで検出する最重要課題。

基準法LIN28A標的のデジタルPCR(ddPCR)による残存未分化細胞の超高感度定量

工程17:エンドトキシン(細菌内毒素)試験

発熱性のグラム陰性菌内毒素を規格値以下と確認する全ロット必須の安全性試験

基準法動態比濁法/比色法によるLALエンドトキシン定量

工程18:マイコプラズマ否定試験

無菌試験では検出できないマイコプラズマ汚染を確認する全ロット必須の安全性試験

基準法リアルタイムPCR(NAT)法によるマイコプラズマ核酸検出(薬局方代替法)

工程19:純度・力価/生存率

目的細胞の純度・同一性を系統マーカーで確認し投与量根拠の細胞数と生存率を測る。

基準法系統特異マーカーのフローサイトメトリーによる純度・同一性評価+生存率

公開情報にもとづく一般的な整理です。実際の構成は条件により異なります。

このマップとあわせて見る