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2026.09.02•Boston Scientific

血管造影カテーテルの使用中止を通知——先端部に製造起因の問題

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Photo: Milad Fakurian / Unsplash

米国の医療機器大手 Boston Scientific が、血管造影に使うカテーテル Imager II の販売を止め、手元にある製品を使わないよう顧客に通知しました。血管造影は、細い管(カテーテル)を血管に通し、その先からX線に写る薬剤(造影剤)を流して血管の形を映し出す検査です。この管の先端が、使っている最中に外れるおそれがあります。米国食品医薬品局(FDA)によると、7月16日の時点で重篤な傷害が2件報告され、死亡の報告はありません。原因は先端の素材に混ぜる添加物の不足で、完成品を外から調べても気づきにくい種類の問題です。

通知の中身と、最も重いクラスI

同社が8月24日付で顧客に送った文書は、Imager II 血管造影カテーテルのすべてを、使用・販売の場から取り除くよう求めています。すぐに使用と出荷を止め、手元の製品をほかと分けて保管し、確認書を返送するという内容です。米国では、出荷済みの製品をこうして取り除く措置そのものが回収(リコール)にあたります。外箱から出して内袋だけで保管されている製品もあるため、FDA は内袋と外箱の両方の製品番号(UPN)で照合するよう求めています。

FDA は9月下旬、この回収を最も重いクラスIと位置づけました。FDA は回収を健康被害の重さでクラスI〜IIIに分けています。クラスIは、使うと重い健康被害や死亡を招く合理的な可能性がある場合です。クラスごとの違いは、解説記事製品回収の分類で詳しく読めます。

原因は先端部の安定剤不足

FDA によると、Boston Scientific は、先端部の素材に加える安定剤が本来より少ないまま製品が作られていたと判断しました。安定剤は素材の劣化を抑える添加物です。プラスチックは熱や酸素にさらされると、分子の鎖が少しずつ切れてもろくなっていきます。安定剤が足りないと先端がもろくなり、使っている最中に外れるおそれがあります。外れた破片が流れて先の血管をふさぐと塞栓症を起こし、臓器の障害につながりかねません。

Imager II の先端をめぐる回収は、これが初めてではありません。2020年にも、太さ 5F(直径約1.7mm)の製品で先端が外れるおそれが見つかり、FDA はクラスIの回収としました。このときは先端がもろくなった要因として、高温多湿での保管や経年劣化が挙げられています。どちらも、安定剤が抑える種類の劣化です。今回は、その安定剤そのものが足りませんでした。

安定剤がどれだけ入っているかは、完成品の外観や寸法をいくら調べても分かりません。量を測るには製品を抜き取って化学分析にかける必要があり、分析した製品は出荷できないので、全数は調べられません。

医薬品でいえば、無菌試験と同じ構図です。無菌試験もロットのごく一部しか調べられないので、無菌であることは試験の合格だけでは示せません。そこで、滅菌の条件が確かに効くことを前もってデータで示し、その条件を毎回守ることで無菌を保証します。この考え方が工程バリデーションです。カテーテルの素材も同じで、受け入れる材料の中身と、成形の温度や時間を決めた範囲に収め続けることが品質の土台です。

安定剤がなぜ、製造のどの段階で少なくなったのかは公表されていません。一般に、安定剤が減る道筋は大きく2つ考えられます。材料に最初から足りない場合と、成形のときの熱で消費されて減る場合です。どちらでも、原因を探るときにまず見るのは直近の変更です。材料の仕入れ先や配合の切り替え、設備の入れ替え、製造拠点の移管がよくある例です。変更の前後で何を確認したかの記録(変更管理)が、原因を絞り込む手がかりです。

製薬会社にとっても、遠い話ではありません。プレフィルドシリンジのゴム栓やオートインジェクターの樹脂部品のように、薬と組み合わせて使う部品にも、外から見えない添加物が入っています。配合が変われば、部品の強さだけでなく、薬に溶け出す成分も変わりえます。部品を外部から買っているなら、部品メーカーが材料の配合や工程を変えたときに知らせが届く取り決めがあるか(供給者管理)を、一度確かめておくとよいでしょう。使う側から届く苦情も、出荷後に問題を見つける数少ない手がかりです。顧客からの苦情の傾向は、FDA がFresenius のユタ拠点に出した警告書でも取り上げられました。

完成品の外観や寸法の検査では分からない素材の中身は、材料の受け入れと製造条件の管理で守るしかありません。

※ 本ページは公開情報(FierceBiotech の報道、FDA の回収情報)をもとにしたProglenth編集部による整理です。対象製品の番号や最新の対応は、FDA の回収ページ(Early Alert)および同社の公式発表をご確認ください。

業界メディア報道
fiercebiotech.com
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本記事は業界メディア等の報道をもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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