Drug Discovery & Development の報道によれば、DigiM のCEOが、AAPS PharmSci 360 を前に、製剤内部の微細構造から薬物放出の挙動を予測する取り組みについて語った。
同記事は、処方研究者が繰り返し直面する問いを挙げている。何回の試作を重ねることになるのか、各溶出試験にどれだけの期間がかかるのか、そして遅れが申請の先送りとしていくらの費用になるのか。溶出試験はその判断材料のひとつだが、それ自体に時間がかかる。
溶出試験が律速になる構図
経口固形製剤の開発では、溶出挙動が品質と生物学的利用能を結ぶ主要な指標になる。処方や製法を変えるたびに測り直すため、試作と試験のサイクルが開発期間を決める。
ここで効いてくるのが、溶出が「組成」だけで決まらないという事実である。同じ組成でも、次のような内部の状態が違えば挙動は変わる。
- 粒子の分散状態と凝集の有無
- 空隙の量と連結の仕方(水がどう入り込むか)
- 結晶/非晶質の分布
- 崩壊剤の配置
これらはまとめて微細構造と呼ばれる。従来は試験結果から逆に推し量るしかなかった。
画像から予測へ
X線CTなどで内部構造を三次元的に取得し、そこから水の浸透と溶解をモデル化できれば、測る前に予測する道が開ける。試作の回数を減らせれば、開発期間の短縮に直結する。
実務で確かめたいのは次の点になる。
- どの製剤系で検証されているか:即放性か徐放性か、マトリックス型かコーティング型かで難易度が違う
- 実測との一致度:予測が外れる条件がどこにあるか
- 規制での扱い:予測をどこまで申請資料の根拠にできるか。現時点では試験の置き換えではなく、試験の設計を絞るための道具と位置づけるのが現実的である
※ 本ページは公開情報(Drug Discovery & Development の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。手法・実績の詳細は一次情報をご確認ください。