「一本鎖DNA」とは?
別名・英語表記:ssDNA / single-stranded DNA
二重らせん構造をとらず一本の鎖で存在するDNAで、AAVベクターのゲノムはこの形態でカプシド内に封入されている。
別名・英語表記:ssDNA / single-stranded DNA
二重らせん構造をとらず一本の鎖で存在するDNAで、AAVベクターのゲノムはこの形態でカプシド内に封入されている。
一本鎖DNAとは、二重らせんをとらず一本の鎖として存在するDNAのことです。AAVベクターでは、治療遺伝子を載せたこの形態のゲノムがカプシド内に封入されており、空カプシドとの違いを生む実体でもあります。製造工程では不純物としても現れるため、精製における除去対象としても重要な概念です。
AAVベクターのカプシドは直径20〜26nmほどの小さな外殻ですが、その内側に治療遺伝子を載せた一本鎖DNAが詰め込まれています。このゲノム封入の工程は、カプシドを組み立てる工程とは細胞内で別々に進みます。ゲノムが詰まっているものが「実カプシド」、詰まっていないものが「空カプシド」であり、両者の差はこの一本鎖DNAの有無だけです。治療効果を発揮するのはゲノムを内包した実カプシドのみであるため、製造品質において両者を区別して管理することが求められます。
一本鎖DNAは、AAVベクターの目的成分であると同時に、製造プロセスにおける不純物としても登場します。精製クロマトグラフィーの観点では、変性・一本鎖DNAは疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)の除去対象として挙げられています。また、ヌクレアーゼ処理を用いる工程では、exonuclease V(RecBCD)が直鎖状のdsDNA・ssDNAを分解する一方で環状DNAは基本的に分解しないという選択性があり、どの形態のDNAを除きたいかによって使用する酵素の選定が変わってきます。
この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。