「寄与率fm」とは?
別名・英語表記:fm / fraction metabolized
ある分子種がその化合物の代謝のうち何割を担うかを表す割合。全分子種の合計が1になるよう定義する。
別名・英語表記:fm / fraction metabolized
ある分子種がその化合物の代謝のうち何割を担うかを表す割合。全分子種の合計が1になるよう定義する。
寄与率fmは、特定の酵素(CYP分子種など)がある化合物の代謝全体のうち何割を担うかを数値化したものです。この数字が重要視されるのは、fmが薬物間相互作用(DDI)のリスク見積もりの土台に直結するからで、fmの大きさと分散のしかたによって、併用薬による血中濃度変動の大きさが変わってきます。
ある化合物のfmが特定の分子種に集中していれば、その分子種を強く阻害・誘導する併用薬によって血中濃度が大きく動きえます。一方、fmが複数の分子種に分散している場合は、一つの阻害剤の影響は薄まります。たとえばCYP3Aのfmがおおむね0.7、CYP2D6が0.2、残りが他の分子種というかたちで代謝の内訳を表すことができ、この分布のパターンがDDIリスクの形を決める出発点になります。なお、腎排泄など代謝以外の消失経路がある場合は、fmが高くても全身への影響が同じ割合で出るとは限らない点にも注意が必要です。
当局の運用では、ある分子種の寄与が代謝のおおむね25%(fmがおよそ0.25以上)を超える場合、その分子種の強力な阻害剤・誘導剤を用いた臨床DDI試験を検討するという目安が示されています。つまりfmは単なる代謝の内訳の記述にとどまらず、どの分子種について臨床試験まで踏み込むかを判断するための閾値として機能します。被害薬の消失に占める代謝の割合と、当該CYP分子種のfmが大きいほど、その分子種を止められたときの濃度変化は大きくなるという関係が、この目安の背景にあります。
ある薬の代謝を主に担うCYP分子種を見きわめる作業は反応フェノタイピングと呼ばれ、fmはその作業の出力として得られる数字です。fmの算出には主に三つのアプローチがあり、複数の手法が同じ分子種を指し示すほど寄与の確からしさは高まるとされています。こうした求め方の違いと、DDI評価への直結という重みが、数字一つに見えるfmの背後にあります。求め方の詳細はCYP reaction phenotypingの項で扱っています。
この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。