「抗体依存性細胞傷害」とは?
別名・英語表記:ADCC / 抗体依存性細胞傷害(ADCC)
抗体が免疫細胞を介して標的細胞を傷害する働き。Fcに付く糖鎖の付き方に影響される。
別名・英語表記:ADCC / 抗体依存性細胞傷害(ADCC)
抗体が免疫細胞を介して標的細胞を傷害する働き。Fcに付く糖鎖の付き方に影響される。
ADCCとは、抗体のFc領域が免疫細胞上の受容体と結合することで、NK細胞などが標的細胞を傷害するエフェクター機能のひとつです。Fcに付く糖鎖の構成、とくにコアフコースの有無によって活性が大きく変わるため、バイオ医薬品の品質設計と製造管理の両面で重要視されています。
同じエフェクター機能でも、担い手が異なります。ADCPは貪食細胞が標的を「食べる」経路であり、CDCは補体カスケードが標的の膜を「壊す」経路です。ADCCはNK細胞などが担う傷害経路で、これら三つはいずれも抗体Fcを起点としながらも、関与する細胞や分子の仕組みがそれぞれ異なります。ADCCを評価・設計する際には、この三者を区別したうえで、目的に応じてFcを強化するか逆に黙らせる(サイレンシング)かという判断が求められます。
ADCCを底上げしているのは「フコースが無いこと」です。Fcのコアフコースが外れるアフコシル化が起きると、NK細胞などが持つFcγRIIIa(CD16a)への結合が強まり、ADCCが大きく増強されます。これはFc側の糖鎖とFcγRIIIa側の糖鎖が直接かみ合えるようになることで親和性が上がるためで、最もよく確立された設計原理とされています。一方、高マンノース型糖鎖はADCCのほか血中滞留や免疫原性にも影響するため、アフコシル化を高める設計をとる場合は高マンノース型を同時に監視する管理が求められます。
抗体FcのフコースやガラクトースなどADCCに関わる糖鎖の構成は、重要品質特性として位置づけられます。糖鎖という「原因」とFcγRIIIa結合やADCCという「結果」を突き合わせることで、グライコエンジニアリングが機能に結びついていることを示せます。評価手法としてはレポーターアッセイや初代細胞アッセイが用いられており、フローサイトメトリーはその読み出しを1細胞単位で担う中心的な手法です。また、ADCCアッセイに用いる細胞株では、CD16を欠くなど機能面の制約があるケースもあり、改変で補う設計がとられることがあります。
この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。