用語集

ADC」とは?

別名・英語表記:抗体薬物複合体

抗体に薬物を結合させ、標的細胞へ選択的に届ける抗体薬物複合体。

ADCは、抗体が持つ標的認識能力を利用して、結合させた薬物を特定の細胞へ選択的に送り届ける抗体薬物複合体です。「抗体+リンカー+ペイロード」という複合的な構造を持つため、製造・品質評価のどの工程でも、複合体としての振る舞いを丸ごと評価しなければならない点が難しさの核心になります。

有効性を左右する「結合→内在化→細胞死」の流れ

ADCが狙いどおりに機能するには、標的細胞に結合するだけでなく、細胞内へ取り込まれる内在化が起き、そのうえで細胞死に至る一連の流れが成立する必要があります。内在化の有無はADCのように内在化を前提とする分子では決定的な情報になるとされており、評価にはpH感受性色素や表面・全量の比較といった設計が用いられます。この流れを追ううえで顕微鏡が有効であることも指摘されています。

平均値に埋もれる耐性細胞という問題

ADCの評価では、細胞ごとのばらつきそのものが評価対象になります。抗原を持っているのに死なない耐性細胞や、陰性なのに死ぬバイスタンダー効果などは、集団の平均には現れません。ADC耐性であれば薬剤排出トランスポーターの発現、標的抗原やシグナル経路の変化といった手がかりは、平均では埋もれていた耐性亜集団の輪郭として初めて把握できるとされています。

品質評価の鍵となるDAR分析

ADCの品質指標として重要なのが、抗体一分子あたりに結合した薬物の数を示す薬物抗体比(DAR)です。結合した薬物の数だけ疎水性が段階的に変わるため、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によってDAR分布を分離・定量できます。「疎水性で分ける」という一つの原理が、凝集体除去からADCの品質評価まで幅広く機能するわけです。

この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。

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