「hERG」とは?
心筋の再分極を担うカリウムチャネルの一種。薬が塞ぐとQT延長や不整脈につながるため早期に評価する。
心筋の再分極を担うカリウムチャネルの一種。薬が塞ぐとQT延長や不整脈につながるため早期に評価する。
hERGは心筋の再分極を担うカリウムチャネルで、薬がこの通り道を塞ぐとQT延長や不整脈につながるため、開発の早い段階から試験管レベルで評価されます。問題の核心は、hERGが「間口の広い」通り道であり、薬の本来の狙いとは切り離して心毒性の入口として見張らなければならない点にあります。
hERGは間口の広い通り道と表現されます。これは、本来まったく異なる目的で設計された薬であっても、意図せずhERGを塞いでしまう可能性があることを意味します。薬が本来狙っている働きとは切り離して、心毒性の入口としてhERGを見張らなければならないのはそのためです。評価では、hERGを塞ぐのに高い濃度が必要であるほど、また血中の濃度が低いほど、心臓への余裕は大きくなるという考え方が使われます。この余裕の大きさは、hERG IC50を臨床Cmaxで割った安全域マージンという指標で表されます。
近年の議論は、hERG一つを見れば十分という発想から離れています。hERGを見ることは必要ですが、それだけを頼りにすると「疑わしきは落とす」方向に傾き、本来は安全な候補まで開発から外してしまう恐れがあるためです。そこで注目されているのが、hERG一つに頼らず複数のイオンチャネルへの作用を統合して不整脈リスクそのものを予測しようという新しい枠組みです。QTリスク評価は、hERGという一点から複数の情報を束ねた総合評価へと重心を移しつつあるというのが、現在の見取り図です。
この定義はProglenth編集部が一般的・基礎的な内容として整理したものです。実際の管理基準・要件は製品・企業・各極の規制により異なります。 正確な運用は各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報をご確認ください。