品質特性・分析

mRNA完全性(インテグリティ)とは?

mRNA完全性は、合成したmRNAが分解・途中切断されず「完全長」で存在する割合を示す指標です。完全長mRNAの割合が翻訳効率=効力に直結するため、IVT後・精製後・製剤後の各段階で評価します。

mRNA完全性を見る理由
完全長率が翻訳効率=効力を左右する
RNAは分解されやすく工程で低下しうる
断片・途中切断を見分ける必要がある
分類
品質特性(分析)
主な手法
キャピラリーゲル電気泳動(CE) / アガロース/自動電気泳動 / イオンペア逆相HPLC(IP-RP-HPLC) / サイズ排除クロマトグラフィー+多角度光散乱(SEC-MALS) / 非対称フローフィールドフローフラクショネーション(A4F-MALS)
代表的な基準法
蛍光検出キャピラリーゲル電気泳動(CGE-蛍光、自動電気泳動/フラグメントアナライザ)
主な管理パラメータ
完全長率の定義:主ピーク面積 ÷(主ピーク+断片+オリゴマー)×100%(相対ピーク面積法) / 変性条件の標準化:裸mRNAは70 ℃・2〜5 分加熱後5 ℃冷却(CGE-蛍光は70 ℃2 分、CGE-UVは3 M尿素添加で70 ℃5 分の部分変性が報告例) / LNP封入mRNAの前処理:界面活性剤で脱封入(例 2% Triton X-100でCGE、0.5% Brij 58でIP-RP-HPLC) / 検出モードと感度:蛍光(DNF-471/472)かUV(254 nm)かで分解能・主ピーク面積が変わるため法ごとに固定 / ラダー/サイズマーカーで完全長ピークを同定(標的塩基数との一致を確認) / 注入量・サンプル濃度をキットの適用範囲内に保つ(DNF-471は5〜500 ng/µL)
関連分析
キャッピング・ポリA / LNP特性との併用 / 残存不純物の管理 / LNP特性解析 / 純度

手法の比較 ― どの方法で測るか

手法原理何が分かる使い分け
キャピラリーゲル電気泳動(CE)サイズで完全長と断片を分離完全長率(%)・断片完全性評価の主力
アガロース/自動電気泳動サイズ分離(簡易)完全長/分解の概観迅速スクリーニング
イオンペア逆相HPLC(IP-RP-HPLC)イオンペア試薬下の逆相分離でサイズ・疎水性により完全長と断片・無テール体を分離完全長率(主ピーク相対面積%)・断片・無テールmRNA・mRNA–脂質付加体CGEの別の方法での確認。高分解能で断片や付加体まで分離
サイズ排除クロマトグラフィー+多角度光散乱(SEC-MALS)流体力学的サイズで分離し光散乱で絶対分子量を測定単量体/二量体・オリゴマー・凝集体、分子量会合体・凝集の確認とフラクション回収
非対称フローフィールドフローフラクショネーション(A4F-MALS)非対称流れ場でサイズ分画し光散乱で分子量・回転半径を測定単量体/二量体の分子量・回転半径(Rg)固定相と相互作用しにくく、大きな会合体の別の方法での確認
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